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一見穏やかな鄱陽湖だが、すでに渡り鳥の天国ではなく、むしろその墓場となり果てた。
鄱陽湖は中国で最も大きな淡水湖である。万里をものともしない美しい天の使いである白鳥は、もともと鄱陽湖を彼ら渡り鳥の天国だと感じていただろう。しかし今、残念なことに、南昌市新建県の聯圩と昌邑という二つの村で白鳥の密猟が毎日行われている。見た目は穏やかな鄱陽湖だが、すでに渡り鳥の天国ではなく、むしろその墓場となり果てている。
4日、黄先銀は白鳥の若死の話をするために新建県恒湖郷の実家からバスに乗って当新聞社まで来た。当日午後3時ごろ、当社の取材車が新建県聯圩郷に入った。黄先銀の案内でぬかるんだ道を40分ほど歩いたところ、“上下段”と呼ばれる湖の一角に着いた。岸辺に立つと、群れを成した渡り鳥たちが湖面で餌を探したり遊んだりしており、壮観な眺めだった。黄先銀は湖面のそう遠くない場所に点在している白い点を指し、あれが白鳥だと言った。
記者は腰まである長靴をはいて、初めて鄱陽湖に足を踏み入れた。私達の突然の訪問に驚いた渡り鳥たちは、すぐさま空に舞い上がり旋回しつつ鳴き声をあげた。突如、先を歩いていた黄先銀が速度を早め、前方数十メートルの湖面を指差して叫んだ。「水から飛びたつことのできない白鳥は、毒にあたっているんだ!」果たして、湖面上に浮かんだ雪のように白い鳥の、伸びきった翼には生気がなく、立派な首は水に入ったまま動かなかった。黄先銀はよろめきながら前に進み、手を伸ばしてこの白鳥に触れ、首を振って言った。「もう硬直している」
湖を一時間近く歩き、記者は湖面に浮かぶ少なくとも40羽の白鳥の死骸を見た。毒殺された野鴨となれば、その数は数え切れない。黄先銀は涙を流して、死んだ鳥の数はこれだけにとどまらず、もっとずっと多いと強く主張した。彼の話では、毎朝夜明け前の闇に乗じて、毒を仕掛けた者が湖に潜入し、多くの白鳥の死骸をさらっていき、明るくなってからは誰も拾いにはこないのだという。
記者は鄱陽湖付近の郷鎮市場で売られている白鳥がないかどうか探したが、見つからなかった。黄先銀はもう4、5年鄱陽湖で密猟者と戦ってきたので、彼らが白鳥を売る手口もよく知っている。彼によれば、密猟者は組織的に密売を行っているのだと言う。
「もうすぐ正月だ。白鳥の価格も上がってくる」黄先銀は言う。今は白鳥一羽あたり800元ほどで中級・高級レストランに売られているが、よその省に売れば、価格はもっと高くなり、しばしば数千元にもなる。危ないので、知らない相手には簡単には売らない。暴利を得ることができるため、密猟者は危険をおかして毒薬や網をしかけて、白鳥を殺している。白鳥が手に入ったら、密猟者はこっそり隠しておくので、部外者は探し出せず、時期が来たら水路を使って各地に運ぶ。
よく冗談で、「みにくいガマが白鳥の肉を食べたいと思う(身の程知らず)」と言うが、現在では本当に白鳥の肉を食べている人がいるのだ。「白鳥の肉を食べる」ことが、白鳥を殺す原動力となっている。
2羽の白鳥と4羽の野鴨の死骸を担いで、5日午後5時頃、黄先銀は南昌市の野生動植物保護管理ステーションに来た。彼が袋から取り出した白鳥の死骸を見て、ステーション長の李も、如何ともしがたいという表情だった。「野生動物を痛めつける密猟者に制裁を与えたいとは思いますが、力不足なのです。鄱陽湖は大きくて、保護ステーションには10数人の職員しかおりません。装備も整っておらず、ひとつの部門で管理するのは難しいのです。私達もしょっちゅう村へ出向いて渡り鳥保護に関するビラをまいたり、巡回員を置いたりしますが、効果は薄いのです」
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死んだ白鳥の重みを背に、黄先銀の心は重く、辛い。

黄先銀の手には白鳥の死骸。野生動物保護ステーションの職員は悲しみを隠せない。
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