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一人の環境保護士と汚染物質排出企業の10年にわたる闘い
●霍岱珊氏:環境保護組織“淮河衛士”の責任者。長年に渡り沙潁河の汚染調査と被害者の救助に携わっている。国内で有名な民間環境保護者であり、「グリーン中国年度人物」を受賞している。
●蓮花味精社:業界の巨頭。以前、汚染物質排出の大口として、何度もメディアに晒されていた。今では排出基準をクリアしており、循環型経済の新しい道を進んでいる。
●二者は、かつてお互いを敵として争ってきた。霍岱珊氏は、蓮花味精(化学調味料)社が密かに汚水を排出していることを幾度も告発し、更に蓮花味精社の工場に抗議してきた。今では、工場は彼の監督と提案を受け入れている。両者は市民参加型の環境保護“蓮花モデル”を模索している。この過程で、霍岱珊氏と蓮花味精社は10年の歳月を費やしてきた。
2009年3月27日~29日、“市民参加、モデル革新シンポジウム”が蓮花味精社で開催され、国内の多数の環境保護団体、環境保護の学識者らが霍岱珊氏と蓮花味精社が共に創り上げた市民参加モデルを支持した。シンポジウムにて、蓮花味精社の環境保護監察部部長である高立棟氏は様々な意味を込めて「以前、私は霍岱珊氏を敵として見てきた。今では、友達であり、将来我々は環境保護のためにつきあっていく」と語っている。これに対して霍岱珊氏は微笑みながら「今の世の中は、個人が環境保護の英雄となる時代ではなく、現地の市民の監督によって市民参加型環境保護が実現されるのである」と語っている。
仕事を辞め環境保護の世界に足を踏みいれ、様々な汚染企業と闘い、民間環境保護組織「淮河衛士」を組織し、飲料水の浄化、医療衛生面の救助にあたってきた。この十年、霍岱珊氏は一人の一般市民の力で、世間の人々が淮河の管理に関心をもつよう環境と健康の面からアピールし、実証してきた。彼の活動は、民間の力が政府の監視・管理を補充するのに重要な役割を果たすことを実証している。
■淮河の目
霍岱珊氏と蓮花味精社の闘争は1998年に始まった。1998年1月1日、国家環境保護部門は淮河流域の主支流の水質が基準値に達したことを宣言した。しかし、淮河の主要な支流である沙潁河の岸で生活している霍岱珊氏は、これが事実ではなく、実際には沙潁河では相変わらず黒い水が流れ、魚の死骸と悪臭に覆われていることを発見した。この年の3月、霍岱珊氏は仕事を辞め、沙潁河沿岸での撮影と観察を開始した。
観察を続ける中で、彼は多くの汚染源を発見し、その中には有名企業である蓮花味精社の工場もあった。当時、蓮花味精社の工場は、廃水による汚染により既に市民の非難の的になっていた。しかし、蓮花味精社の責任者はテレビで、工場から排出されている汚水を飲んで基準を達成していることを証明して見せた。
霍岱珊は、その後1枚の写真を撮影し、このうそを暴いた。この1枚は、《花は汚染を拒絶する》と題され、その後メディアを通して広まった。写真には沙潁河岸の学校で、子供達が河水の刺激臭を遮るために否応無くマスクをして授業を受けている風景が写っていた。
環境保護部門と世論は淮河の汚染に対して常に関心を持っていた。しかし霍岱珊は企業が密かに排水する方法をいくつも持っていることを発見し、“密排36計”と総括した:晴れの日は排出しない、雨の日は排出する、昼間は排出しない、夜間に排出する、検査の時は排出しない、監督者が去った後に排出する、一方で検査されている時は別の場所で排出する、表向きの行動で人々の目を欺き、汚染物質の排出パイプは川の中央付近まで敷設されているが誰にも見えないようになっている。
「密排36計の中には蓮花味精の工場も含まれており、環境保護部門の管理が厳しい時には、汚水をトラックに分散して積み込み、夜間密かに郊外で廃棄していた」 霍氏は、彼と数人のボランティアが何度も調査した結果、現場で密排の証拠を押さえ、蓮花味精社の工場で直接対峙した。そのため、双方の恨みは非常に深くなった。
霍岱珊氏は目撃状況を新聞メディアに告発し、その後国家環境保護総局の環境監察総局と連絡を取り、彼は汚染物質排出現場から国家環境保護総局の“環境保護直通車”に電話をかけて状況を報告できるようになり、“淮河の目”と称されるようになった。
「汚染源を調査する中で、殴られたり、カメラを壊されたり、脅迫電話を受けたりしている」 霍岱珊氏は、それでも怯むことなく「淮河の水は一日ではきれいにならない、だから一日たりとも呼びかけを止めることはない」と語っている。
現在、霍岱珊は周囲の市民とボランティアと共に、ほぼ全ての天候下でも監視することができるようになった。彼は淮河流域全体において“淮河の汚染物質排出口監視ネットワーク”を設立し、企業が密かに汚染物質を排出している現場を何時どこでも発見することができ、その程度により、企業と交渉したり、環境保護の部門に報告したりといった手段を用いている。
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