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長江、珠江、黄河に広がる3つのデルタ地帯。中国で経済的にも発展している地域に数えられているが、世界で最も危険な地帯でもある。
長江、珠江、黄河に広がるデルタ地帯は、そろって中国で経済的にも発展している地域に数えられている。しかし、それは世界で“最も危険な地帯”でもあるのだ。香港『文匯報』が報道するところでは、アメリカのコロラド大学が実施した最新の調査研究によると、人口が密集する世界33のデルタ地帯のうち、実に3分の2が「地陥海昇」(地盤沈下、海面上昇)という二重の危機に瀕していることが明らかとなった。さらに中国の長江、珠江、黄河に広がるそれぞれのデルタ地帯は、すでにこれらの危機のなかで最も深刻なレベルに達しており、重大な洪水リスクにさらされているという。もっとも、3大デルタ地帯の危機が“最も深刻なレベル”に達しているという結論に、中国国内の専門家は異議を呈している。
今回の研究結果は、対象とされたデルタ地帯の衛星写真を研究員が調査・分析した結果、導かれた。彼らは各デルタ地帯を危機の程度によって5つのレベルに区分。長江、珠江、黄河のデルタ地帯は合計16万平方km、人口は1億人近い。これらは中国で最も人口が密集しており、中国の伝統的な農耕・漁労文化が色濃く残っているほか、現代的経済が最も発展している地域でもある。
■95都市が地盤沈下、1mmごとに2億元(約26億円)の損失
この結論に対して、長く地盤沈下問題に関わってきた地質専門家の劉守祺氏(上海地質学会秘書長)は、3大デルタ地帯の地盤沈下問題は確かに深刻だと指摘している。地盤が1mm沈むごとにその地盤の上にある都市は2億元もの損失が発生するという。ただ、劉氏は3大デルタの危機が“最も深刻なレベル”に達しているという結論には同意しない。中国は目下のところ、大量の実地調査に基づき地盤沈下の測量を進めているが、衛星写真の分析だけではその精度に限界があり、アメリカの大学による研究結果は必ずしも正しいとはいえないというのだ。
ただ、地盤沈下のレベルがどうであろうとも、人間の活動が活発化するなかで、地盤沈下はすでに周知の事実となっている。メディア報道によると、ここ20年近く中国国内の地盤は概ね徐々に沈んでおり、上海から長江デルタ、珠江デルタ、京津塘(北京・天津間)、華北など広大な地域で、延べ95都市が地盤沈下のリスクにさらされているという。
2003年末までに、北京はすでに5カ所の地盤沈下地区があり、累計の沈下幅が50mmを超える地盤の面積は2,815平方mを上回っている。最も大きいのは722mmに達しており、そのスピードも増している。上海では1921年に地盤沈下が発生して以来、今日まで地盤沈下面積は1,000平方kmに達している。1960年代以来、発生した経済的損失は2,800億元(約3兆6,400億円)に上っている。
■地盤沈下を防ぐために、専門家は過剰な地下水利用の停止を警告
劉氏によると、危機に対応するために各地方ではすでに地下水利用のコントロール、地下水採掘をする地層レベルの調整、地下水灌漑の強化などを通じて、さらなる地盤沈下を防ごうとしている。上海を例にすると、現在は毎年7mm沈んでいるが、これを2010年からは5mm前後に抑えることが目標という。
■全世界のデルタ地帯、3分の2が「地陥海昇」に
中国の3大デルタ地帯のほかにも、エジプトのナイル川、タイのチャオプラヤー川、フランスのローヌ川の各デルタも、そろって危機が最も深刻な人口密集するデルタ地帯に挙げられている。研究によると、過去10年の間で全世界にある33の大型デルタのうち、実に85%が深刻な洪水被害に遭い、26万平方kmの土地が浸食されたという。もしも海面上昇が今ある予測の通りに進むならば、今世紀中に浸食される土地面積はさらに50%増えることになるという。
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国家海洋局が発表した『2003年中国海平面公報』によると、2003年に上海周辺の海面は徐々に高くなっており、2000年に比べ平均20mm上昇。上昇幅は天津に次いで全国2位の大きさとなった。
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