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環境汚染 紫金鉱業が汚染事件に関する情報の公表を故意に遅らせた疑いについて

中国全土 香港証券取引所および上海証券取引所への公開書簡

香港証券取引所および上海証券取引所 御中:

 我々は環境保護団体として、貴所で上場している紫金鉱業(2899.HK、601899.SH)が、重大な汚染事件の公表を故意に遅らせた疑いについて、貴所が徹底的に調査を行い、その後公けに責任追及と処罰を行い、同時に上場企業の情報開示制度をより万全なものにし、上場企業による重大な環境リスクの報告の遅延・隠蔽を防止し、投資家の利益を確実に保護するよう要請する。

 新華社の報道によれば、2010年7月3日、紫金鉱業集団の紫金山銅鉱湿式工場の汚水池から銅を含有する酸性の廃水が漏洩し、約9,100立方メートルの廃水が汀江に流入した。その結果、汀江の水質汚染を引き起こし、1,890トンの魚類が死亡するにいたった。

 紫金鉱業(2899.HK、601899.SH)は、ここまで深刻な汚染事件について9日間も公表を遅らせただけでなく、最初の発表では、事故は降雨によるもので「今回の漏洩は主に自然災害によるもので、予測不可能だった」とした。

 上記の陳述は、政府の調査結果と明らかに矛盾している。2010年7月15日、国家環境保護部、福建省環境保護庁、竜岩市政府および同環境保護部門が共同で結成した調査チームは、紫金鉱業による汚染事故の主な原因は、持続的な強雨も確かに外的要因の一つではあるが、内的原因は「各ヤードおよび溜め池の底に、硬化処理が施されていなかった」ために、「浸透防止フィルムに裂け目が発生し、汚水の浸透・漏洩問題が深刻化した」ことだ。この他、同社は人為的且つ違法に第6号浸出液集水ピットと雨水排出溝を接続していたため、浸透・漏洩した廃水が直接汀江に流入する事態を引き起こしたことが発覚した。実は2009年9月、福建省のある環境保護部門による検査の際、規定の基準を超過する廃水が雨水排水溝から汀江に流入していることが発見され、直ちに改善措置をとるよう要請したのだが、今回の事件により、改善がなされていなかったことが発覚した。

 上述の調査結果から、紫金銅鉱湿式工場の汚染事故は、予測不可能な自然災害ではなく、一連の人的ミスが引き起こしたものであることが分かる。紫金鉱業証券部の総経理は、7月14日の中国青年報に、「すぐに事故の情報を公開しなかったのは、『秩序の維持を重視』し、現地の人々がパニックに陥ることを心配したためだ」という不合理な陳述をしており、紫金鉱業(2899.HK、601899.SH)が開示を遅延したのは主観的で故意だったことを表している。故意の情報開示遅延は、民衆の混乱状態を防ぐことができないだけでなく、逆に生態環境に深刻な損害を引き起こし、下流の民衆の健康を脅かし、一部の投資家に利益損失をもたらした。

 紫金鉱業(2899.HK、601899.SH)でこのような汚染問題が発生したのは今回が初めてではない。同社では、2005年から、河北省、新疆ウイグル自治区および貴州省でそれぞれ環境法規違反状況が発生している。一部の違反行為・事故は、現地の水体に有害物質が流入する状況を引き起こした。また、私達の調査によれば、同社がこれらの問題に対して十分な情報開示を行っているとは見受けられない。環境保護部は、2007年~2008年、環境保護部の環境検証を経た上場企業による環境問題改善措置の実行状況についてフォローアップ調査を行った。また、2010年5月14日には、対象となった企業への批判および決められた期間内に改善措置が完了していない環境問題を社会に対し公表した。この公報には、紫金鉱業(2899.HK、601899.SH)の多くの傘下企業がリストされており、今回問題が発生した紫金銅鉱も含まれていた。環境保護部からの批判に対し、紫金鉱業は簡単な回答をしたのみで、紫金銅鉱の改善状況については「既に全て完了している」との説明をしただけだった。

 紫金鉱業による情報開示の遅延は、上場企業の情報開示問題において、氷山の一角でしかない。公衆環境研究センターと思滙政策研究所による2010年3月の調査研究報告では、香港証券取引所の上場企業のうち175社で、計750を超える中国大陸における環境法規違反の記録がある。また、これらの違反・基準超過問題は、企業の年度報告書や公式ウェブサイトにはほとんど掲載されておらず、関連する説明や事後の改善措置等に関する情報は、更に欠如している。

 もちろん、繰り返し基準超過・違反の状況が発生しているにもかかわらず適切な情報開示を行っていない紫金鉱業等の上場企業が主に責任を負うべきであるが、証券取引所も、このような行為に干渉せず問題を放置していた結果、環境、地域コミュニティーや投資家の利益に深刻な損害をもたらすことになったのであり、自らの管理および監督不十分を反省するべきである。近年中国大陸では、環境情報開示の面で一連の進展があり、多くの政府部門が法令や政策を制定した。これらには、国家環境保護総局(現環境保護部)が制定した「環境情報公開規定(試行)」および中国証券監督管理委員会が制定した「上場企業情報公開管理規定」等、企業の環境情報公開に関する具体的な要求事項が含まれている。これと対照的に、香港取引所には関連する規則がなく、上海取引所は「上場企業環境情報公開ガイドライン」を制定したが、まだ改善を要しており、更には確実な執行が待たれている。

 我々は、貴所が紫金鉱業の情報開示遅延行為について徹底的に調査し、その後公けに責任追及と処罰を行い、他社による類似の行為を防止するよう要請する。同時に、投資家が上場企業の環境リスクについて知ることができるようにし、投資家の利益を確実に保護できるよう、貴所における上場企業情報開示のルールを改善するよう要請する。具体的な提案は以下のとおり。

 上場企業にて汚染事故が発生した、あるいは環境法規違反により処罰を受けた場合は、速やかに投資家に開示する。

 汚染リスクが高い企業が上場を申請する際には、更に厳格な環境リスク情報開示を求め、環境法規違反行為を上場企業の信用格付け評価の範囲に取り入れる。

 有毒有害物質を使用・排出する上場企業には、主な汚染物質の排出量を定期的に開示する義務を課す。

 貴所の回答をお待ちいたしております。


 署名団体:

 自然の友
 緑家園ボランティア
 雲南大衆流域
 淮河衛士ボランティア協会
 緑色漢江
 緑眼睛環境組織
 華南自然会
 河北緑色知音
 甘粛緑駝鈴
 環友科学技術研究センター
 公衆環境研究センター

 2010年7月23日







記事執筆、翻訳
日付 2010-07-27
筆者 環友科学技術研究センター
媒体 寄稿
団体名 環友科学技術研究センター
URL
翻訳者 中文和訳チームA班  川口

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