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7月14日、「知床」が日本で3番目の世界自然遺産に登録された
南アフリカ共和国のダーバンで開催されていた国連教育科学文化機関(UNESCO)の第29回世界自然遺産委員会において、7月14日、「知床」が世界自然遺産に登録されることが決定した。日本国内では屋久島(鹿児島県)・白神山地(青森県・秋田県)に次いで、3番目の世界自然遺産(注)となる。また、登録範囲に海域が含まれるものとしては日本初となる。
今回、世界自然遺産に登録された「知床」とは、北海道の斜里町と羅臼町からなる知床半島一帯をさす。オオワシ、オジロワシ、シマフクロウ、熊ゲラなどの天然記念物やヒグマなどの動物が生息する原生的な自然の残る地域である。
知床は、1964年に自然公園法に基づいて、38,633haが国立公園に指定されたものの、1970年代に始まった土地投機ブームにより公園内の一部民有地が乱開発の危機に直面した。そこで、1977年に藤谷斜里町長(当時)は、イギリスのナショナル・トラスト運動を参考に、日本のナショナル・トラスト運動のさきがけとなった「しれとこ100平方メートル運動」をスタートさせた。この運動は、(1)対象地域内の民有地をすべて買い取り保全すること、(2)その土地に植林をして、緑を回復すること、(3)保全した運動地は、斜里町が責任をもって永久に保全管理してゆく、という3点の約束を掲げ、100平方メートルの土地にあたる金額を一口(8,000円)として、「しれとこで夢を買いませんか」をキャッチフレーズに寄付を募った。
その結果、1997年までに全国の約4万9000人がこの運動に参加し、総額5億2000万円の寄付を集め、目標金額を達成。当初掲げた民有地の買い取りもほぼ終えることが出来た。以後、「しれとこ100平方メートル運動」から「100平方メートル運動の森・トラスト」と名称を変え、かつての開拓によって失われた原生林の再生事業を中心に運動を継続している。2005年3月現在、斜里町の既存の町有地を含む保全面積は、対象地域の97.4%にあたる862haとなっている。
こうした「しれとこ100平方メートル運動」をはじめとする市民と自治体による長年の努力が、幾多の困難を乗り越えて、世界自然遺産への登録へとつながった。今回のダーバンでの会議に参加していた午来昌斜里町長は、永年の夢が実現したとして、HPで「登録を節目に、知床の自然環境の保全と適正な利用、さらには漁業者をはじめとした、この地で暮らす人々にとって世界遺産が有益となるよう、これまで以上に努力しなければならないと、気持ちを新たにしております」と今後の抱負を語っている。
(注)世界遺産…1972年に国連UNESCO総会で採択された世界遺産条約に基づく、「世界遺産リスト」に掲載された物件で、自然遺産、文化遺産、複合遺産の3種類に区分される。
自然遺産の場合、自然そのものに対する評価基準の他に、その自然を長期的に保護・管理する体制の有無も求められる。
(参考URL)
・斜里町HP
http://www.town.shari.hokkaido.jp/he2005/index.html
・100平方メートル運動の森・トラスト
http://www.town.shari.hokkaido.jp/100m2/index.html
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知床岬空撮(斜里町提供)

100平方メートル運動地と知床連山(斜里町提供)
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