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環境汚染 市民団体が「アスベスト対策基本法」を提言

東京 被害が明らかになりつつあるアスベスト問題に対して、市民団体が立法提言を行った。

 6月ごろから報道が活発になってきたアスベスト問題は、全国各地でその実態が明らかになり、日本の社会に大きな波紋を投げかけてきた。このため、日本政府も「アスベスト問題に関する関係閣僚会合」を組織し、新たな対策をとると共に、来年の通常国会にアスベスト新法を提案するとしている。

 この政府のアスベスト新法に対して、1987年からアスベスト問題に取り組んできた市民団体「石綿対策全国連絡会議」は、政府の対策の遅れを指摘すると共に、政府が準備中の新法では、被害者救済のみを目的としており、「不十分な法制度の改革の幕引きがなされるような事態を看過するわけにはいきません」という「アスベスト新法に対する緊急の意見表明」を9月15日に発表した。

 この意見書の中で同連絡会議は、「私たちの身のまわりに残されている既存アスベストの把握・管理・除去・廃棄等を通じた首尾一貫した対策の確立は、現行の複数の法律が関係しながら整合性を欠く面も少なくなく、また、いずれにもカバーされない(縦割り行政の隙間に埋もれる)課題も多いため、新規立法による対応が不可欠であると考えています。そのような内容を含めた、アスベスト対策基本法を制定すべきです」と、アスベスト対策基本法の制定を訴えた。

 またかねてより環境ホルモンやダイオキシン問題に取り組んできた「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」も、9月21日、内閣府、環境省、厚生労働省に対して「アスベスト対策基本法」(仮称)の立法提言の申し入れを行なった。この提言では、化学物質の規制における縦割り行政の限界をこえる組織体制の構築や、現在使用中のアスベストへの対策(除去・廃棄・適正処理)、被害者の救済の徹底などが盛り込まれている。

 政府は、9月29日に開かれた「アスベスト問題に関する関係閣僚会合」で、7月29日に策定された「アスベスト問題への対応」が再度改訂された。今回の改訂でアスベストによる中皮腫や肺がんの患者・遺族に医療費や一時金を支給されることとなったが、その給付水準や事業者の費用負担などの具体的な内容は新法に盛り込まれるそうだ。長年この問題について活動してきた市民の意見を盛り込んだ、新法の制定に期待したい。

(参考URL)
・アスベスト問題への当面の対応(9月29日再改訂)(概要)
 http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/topics/dl/050929-1a.pdf

・アスベスト新法に対する緊急の意見表明=石綿対策全国連絡会議
 http://park3.wakwak.com/~banjan/aslawhyoumei.html

・「アスベスト対策基本法」(仮称)の立法提言=ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
 http://www.kokumin-kaigi.org/pdf/asbestos.pdf







記事執筆、翻訳
日付 2005-10-05
筆者 廣瀬 稔也 (HIROSE, Toshiya)
媒体 寄稿
団体名 東アジア環境情報発伝所
(East Asia Environmental Information Express Messenger)
URL http://www.eden-j.org/
翻訳者

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