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環境をテーマに開催された愛知万博、その開催地・瀬戸市でフェロシルトという、リサイクル製品を謳った産業廃棄物が大量廃棄されていた。
フェロシルトとは、石原産業が2001年から生産・販売していた、埋立や造成で土砂の代わりに使う埋め戻し材である。
その原料は、冷蔵庫や建材を白色にするための顔料となる酸化チタンの製造過程でできる硫酸廃液を固めた汚泥であるが、酸化チタンの原料となるチタン鉱石の中に、トリウムという危険な放射性元素が含まれており、放射能を持っている。
このフェロシルト、2003年に三重県のリサイクル製品に認定されたこともあり、約72万トンが三重県内、岐阜県内、愛知県内、京都府内などに販売、埋立などに使用された。そして、愛知万博の開催地の一つ「瀬戸市」でも、27万トンのフェロシルトが持ち込まれていたことで、より大きな衝撃が走った。
さらに、このフェロシルトには、放射能だけではなく、環境基準を超える六価クロム・フッ素が含まれていることが判明。2005年4月になって、ようやく販売が中止され、10月末には産業廃棄物と認定されるに至った。
何故、このような深刻な事態が生じたのであろうか。
1.行政サイドの問題点
1)酸化チタン廃棄物をリサイクル製品に認定した点
酸化チタン廃棄物は、1990年に岡山県産業廃棄物処分場で、通常より高いレベルの放射線が検出された時の元凶となった廃棄物であり、それを受けて、チタン鉱石に対する基本方針等が制定され、飛散・流出防止、吸入防止の為の措置を講ずる等の対策を取られる事となった。
また、日本酸化チタン工業会加盟各社は、自主管理規程に基づき定期的な測定と管理の徹底を図り、測定値を行政当局へ報告することも義務付けられた。
このような廃棄物が、いつの間にか環境に優しいリサイクル製品という名を語り、1府3県で販売されていたのである。
三重県にリサイクル製品として申請する際に、県の外郭団体である「三重県環境保全事業団」がフェロシルトの成分を分析しているが、その事業団の理事(10名で構成)には必ず石原産業在籍者がいたという。
2)対応の遅れ
「ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク」では、そのホームページによると、2002年より足かけ3年にも渡り、このフェロシルト問題に取り組んでいる。もう少し早い段階で行政による産業廃棄物認定が行われていれば、ここまで被害が大きくならなかったのではないか。
2.企業サイドの問題=企業倫理の問題
1)リサイクル認定を受けた当初とは異なる製造工程で生産されており、72万トン中、95%以上に不正な廃液が混入されていた。
2)石原産業は、環境ISO(14001)を取得していた企業であり、同社の環境安全基本理念には「当社の『環境・安全』に関する取り組みは…正義の法則のもとに…人類の発展に寄与することを基本理念…当社は…社会への貢献ならびに環境の保護と安全・健康の確保について、自らの責任を認識し、また『持続可能な開発』という原則のもとに、その事業活動を地球環境の保護に調和…社会よりの信頼向上に努めるものとする。」(抜粋)と定められている。
11月上旬になって、石原産業は、四日市工場副工場長が独自で行ったと主張しているが、実際には会社ぐるみであったという側面は否めないだろう。
このように立派な環境安全理念を掲げ、ISO14001を取得しておきながら、一人の不正を暴けない組織というのはおかしいし、社員全員で隠蔽工作したというのは言い過ぎとしても、不作為による会社の責任は問われてしかるべきであろう。
21世紀は「環境」の時代と言われており、環境に関連した様々な取組・ビジネスが行われている。
確かに、酸化チタンも一部を取り上げれば、光触媒として環境に優しい(光触媒には太陽光や蛍光灯などから出る光のエネルギーによって、空気中の水分や酸素から強力な酸化分解力を持つ働きを作り出す作用を持つ)という側面を持っている。しかし、酸化チタン廃棄物は放射性物質であるため、厳重な管理が求められるものであり、再利用を以てして“環境にやさしい”とはとても言う事ができないのである。“環境にやさしい”という言葉は、地球環境に対する信義を守ってこそ使われるべきもの。言葉の定義は、業界や企業の独善であってはならない。再発を防ぐ上でも、今後広く考えていく必要があるだろう。
(参考URL)
・ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク
http://homepage3.nifty.com/aichigomi/
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