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環境ニュース > ごみ・リサイクル (日本 発)

ごみ・リサイクル 生態系 きれいな海辺を取り戻すために

日本全土 越境漂着ごみ対策に日韓の市民と政府関係者がのりだした

 筆者は、2005年7月、富山で開催された「海辺の漂着物調査検討会」に出席し、海洋ごみ問題において、危機感を持つと同時に、一刻も早く打開策を見出すべき課題であるとの問題意識を抱いた。日本海沿岸を中心とした海ごみ問題の処理に対して重い腰を上げない関係省庁と、地域で苦しむ市民団体側とのギャップを痛感したものである。今回2月17日開催の「第3回 きれいな海辺アクトフォーラム」では、全国規模の全体構想策定とローカルレベルへの展開実現に向けた、次への進展を期待して臨んだ。

 韓国や中国などを主な発生起因とする東アジア海域の漂着ごみ(プラスチック容器や漁具など)問題に苦しむ、長崎県・対馬(つしま)市・壱岐(いき)市・五島市・新上五島(しんかみごとう)町が、2005年11月、国の責任を糾す上で、漂着ごみの処理を国の責任で行うとする構造改革特区(注)の申請という窮余の策を打って出た。実際の特区実現は見送られたものの、政府は環境、国土交通、農林水産など関係省庁による局長級の対策会議の設置を決めるに至った。(初会合は3月開催予定。)

 対策会議では、ごみの漂着が多い地域の自治体が負担する処理費用を減らすため、循環型社会の理念には則さないものの、屋外での焼却を認めるなど、ごみ処理方法の指針を示すことや、自治体を財政面で支援できないかを検討する見込み。

 今回のアクトフォーラムをはじめ、フォーラム主催者であるクリーンアップ全国事務局や関係団体・省庁等相互の議論の積み重ねもあって、ようやくこうした動きが見えてきた訳で、今回のフォーラムの開催は、正に時宜を得たものであったと言える。

 これまでのアクトフォーラムの主要論点であった、海洋ごみ問題の「プラットフォーム」構想を如何に具現化するかが今回の議論の柱。省庁の動きも見えてきたことで、対策を進めるための場としてのプラットフォームの重要性が増した観がある。しかしながら、全国からの参加者の願いもむなしく、やはり省庁間の縦割りの側面が影響したか、具体策への糸口はなかなか見えてこなかった。(ワークショップでの討議では、それぞれの取り組みが分断されていることが明らかになった、との評も出た。策はあっても、有機的な動きになっていなかったと言えなくもない。)

 河川法に遅れること2年、海岸法でも「海岸環境の整備と保全」が1999年に主目的に加わる形となったが、本フォーラムにおいて、当該問題の打開策に即した具体的な提案が、参加した省庁の担当者から示されなかったことは、残念であり、局長クラスと実際の担当者との間に温度差があることも感じざるを得なかった。トップダウン型になって、はじめて担当者が動ける、とするなら担当者間での議論は何とも徒労である。(省庁担当者が及び腰にならないよう、市民側が助けるところにプラットフォームの意義が見出せるかも知れない。)

 韓国からのゲストスピーカーである、海洋救助団のHong Sun Wookさんからは、韓国ではここ7年の取り組みに対して、日本ではすでに15年。行政が協力するのに、これだけの時間がかかってしまっていることに歯がゆさを覚える、といったコメントがあった。

 対策会議の成否もカギだが、現場においては、プラットフォーム構想が物を言う。引き続き、市民をはじめとする関係者の努力・協働によって、構想や対策が具現化され、きれいな海辺が取り戻していけたら、と願う。

(注)構造改革特区
民間事業者や自治体が、国に申請し、地域振興などをはかるために、地域の特性に応じた規制の特例措置を導入する特別な地区を設ける政策。


アクトフォーラムで発表する、Hongさん

対馬 志多浦(したのうら)での漂着ごみの様子


記事執筆、翻訳
日付 2006-02-24
筆者 糸岡 栄博 (ITOOKA, Eihaku)
媒体 寄稿
団体名 荒川クリーンエイド・フォーラム
URL http://www.cleanaid.jp/
翻訳者

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