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環境政策 2016年夏季五輪に向けての東京都の動き―本当に必要?その五輪

東京 昨年秋頃から「東京で再びオリンピックを!」という話が聞こえ始めている

 2005年の秋頃から「東京で再びオリンピックを!」という話が聞こえ始めたと思ったら、都知事の音頭とともに、4度にわたる基本構想懇談会を経て、あっという間に、3月には「第31回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議」が都議会で議決されるに至った。4月3日には、34人の職員を擁する東京オリンピック招致本部が正式に活動を始め、以下、

2006年4月28日:立候補意思表明書をJOC(日本オリンピック委員会)に提出
2006年8月30日:JOCが国内立候補都市を決定
2007年7月中旬(予定):IOC(国際オリンピック委員会)への立候補申請
2008年6月(予定):IOCが立候補都市5都市を承認
2009年7月(予定):IOCが開催都市を選定

という流れに従い、準備が進んでいくこととなった。前回の東京五輪は、1964年に遡る。2016年の開催が決まれば、実に52年ぶり、ということになるが、開催については懐疑的な見方や批判も多い。

 2016年の日本でのオリンピック開催については、福岡の他に、札幌や名古屋も招致を模索していたが、東京が早々に名乗りを挙げたことで、他の都市は辞退。事実上、東京と福岡の立候補に絞られた、というのが現況である。地域活性化策の目論見もあって、各都市で招致活動を展開させたかった政府としては、肩透かしになってしまった格好だが、そもそも「なぜ、オリンピックなのか」が不明瞭だったことは否めない。

 東京での招致に関しては、都が発表した「東京オリンピック実現に向けて」の文中には、「オリンピックを契機に、日本再浮上に向けた第一歩を踏み出すとき」「オリンピック開催は、次の世代に夢を与え、国民の間に一体感と高揚感を醸し出す」「オリンピックはまさに、成熟都市東京が国際的な責任を果たし、世界に貢献する「志の高い国」=日本の存在を示す絶好の機会」といった美辞が並ぶも、抽象論が先行しており、具体的な成果に結びつくのかどうか定かではない。

 予算規模、都民・国民の負担、そして費用対効果も今のところは具体性に欠く。開催都市に選定されるまでの間の諸々の経費も巨額に上ると推定される上、招致に失敗した時のリスクについて言及されていない点も気になるところ。

 世界一コンパクト、環境フレンドリー、ホスピタリティ溢れる、といった東京ならではのイメージ(メリット)も、東京オリンピック基本構想懇談会のまとめの中に標榜されている。これを見る限り、必ずしも従来型の成長拡大路線ではないことはわかるが、東京での開催意義を十分に説明するものとも思えない。

 具体的な施設の計画は、白紙ではないものの、現時点では不透明。一例として構想が挙げられているのは、築地市場の移転とその跡地の有効利用がある。移転先は豊洲(とよす)埠頭が予定されており、既成事実のようにすでに工事が進行中。(新交通システム 「ゆりかもめ」の路線が延伸され、豊洲市場予定地には新たに「市場前」という駅が設置された。) オリンピックは、都市インフラを整えやすくするための口実で、招致に失敗しても、結果的に都市整備につながればいいというのが本音、との批評も聞く。いかにコストをかけずに大きな成果を得るか、これがオリンピックの一つの理想だろう。オリンピックを名目にした無用な開発や造成は避けたい。一都民としては、施設や道路などの新たな計画や動向を十分に注視し、その要否の本質を見極めたいところである。

(参考URL)
・東京オリンピックの実現に向けて(東京都)
 http://www.tokyo-2016.com/index.html


豊洲市場の造成工事の様子

工事に伴うダンプカーの車列

まだ市場はできていないが、駅名は「市場前」
記事執筆、翻訳
日付 2006-04-07
筆者 冨田 行一 (TOMITA, Koichi)
媒体 寄稿
団体名 東アジア環境情報発伝所
(East Asia Environmental Information Express Messenger)
URL http://www.eden-j.org/
翻訳者

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