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処分場と「鉄鋼スラグ」に揺れる今治市からの現地レポート
愛媛県今治市で住民から不安や疑問が続出している同市桜井海岸の廃棄物処分場(今治市が管理責任者)と同市吉海町(大島)の鉄鋼スラグ「一時保管所」を4月11日に視察した。当日の印象、住民の声などを報告する。
4月10日夜、まず桜井の住民からは、のどや気管支の不調、子どもの皮膚障害の発症等、深刻な健康への不安が語られた。市の行った地下水検査では重金属類が検出され、海岸沿いの処分場の調整地からは、オーバーフロウすることもあったという。処分場からの汚水の垂れ流しもあり、市の調査に納得できず、住民独自の地下水調査を行いたいとの話があった。
翌11日、降りしきる大雨の中、桜井海岸廃棄物処分場を訪れた。数十メートル小高い山の合間の「処分場」「入り口」の2つの看板には、「責任者―今治市、計画期間―平成14年3月、一般廃棄物(不燃ごみ)と産業廃棄物の最終処分場(汚泥)」と書かれている。間口200数十メートル、奥行き300メートルほどで、資料によれば埋立て面積は7万2000m2余り、甲子園球場約2個分に相当する。計画埋立て容量39万5,000t余りで、計画期間は既に終了している。不燃ごみとなっているのに、なぜかガス抜き用の塩ビパイプが立っていた。ガス抜きパイプは一般的には有機物のメタン発酵で生じるメタンガスを抜くためのものと思っていたが…。遮水工事がされていないので国の工事基準に不適合となっている。そのため埋立て計画分を満了せずに終了したのか、埋立て部分に一部大きなくぼみがあった。
地元町内会の総代が、この処分場の覆土搬入業者であるため、住民の声を封殺し、不安があっても口にできない状態が続いている。住居が隣接しているため、何が原因かは不明であるが、周辺住民には、のどや気管支に不良を訴える人がでている。
そこへ表面化したのが、今治市の処分場の「跡地利用」と称する「最終処分場の再展開」計画だ。遮水工事を行い、既設処分場の上にかさ上げして新たな処分場を建設するという。一般廃棄物処理の9割を民間委託に頼っている今治市行政当局としては、早くしかも安く建設できるために、願ったりかなったりだろう。しかも国からは、3分の1の助成が受けられる。
他方、住民の健康への不安の声を無視できなかったのか、市は処分場周辺での地下水位検査を実施。すると、鉛・砒素・アルキル水銀・フッ素が看過できない高濃度で検出された。また処分場の直下には墓地があるが、処分場ができてからしばしば冠水し、住民の要望で隣地にかさ上げした土地を造成し移転させたという。今も移転に反対する住民のお墓が2基、もとのままにあった。
処分場周辺には、廃棄物の一時保管(廃棄物処分業者の自社地や借地)と称する20~30メートルの山が2つできてしまっている。この「山」ができる前には道路から海が見えたという。「桜井海浜公園」が海岸べりに造成されていたが、公園の両サイドは民間業者の廃棄物の「山」と市の処分場の漏出水調整池に挟まれ、後背地は市の処分場と、三方を廃棄物に囲まれていた。この調整池の水は、まっ茶色というかレンガ色。この色の正体は何だろう。
その調整池の汚泥は定期的に抜き取り、バキュームカーで市の下水処理場に運び処理しているという。市の見解では、それらは適正に処理され、処理水は基準を満たしているというが、どんな処理方法で水を処理しているのかについては定かではない。
一般的には標準活性法と思われ、浮遊物の除去とバクテリア繁殖=沈殿による、いわゆる二次処理だけのはず。そうだとしたら、BOD(生物化学的酸素要求量)、SS、トータル窒素、トータル燐の除去にとどまり、重金属の処理はできないはずだ。
このように、桜井地区では廃棄物の中間処理・最終処分が日常化し、それは住民の意向を無視して押し付けられてきたことが推測できる。市の処分場は余りにも住居に近く、「最近建てられた家は、全く地区住民と付き合いがないが、処分場と50~100メートルしか離れていないところに処分場があることを知らされていたのだろうか」と、古くからの住民は首をかしげていた。(つづく)
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