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ごみ・リサイクル 知床岬クリーン作戦と「知床・らうす会議」(前)

北海道 世界自然遺産の地で「海ごみ」について考える会議が開催された

 これまで、飛島(山形県)・対馬(長崎県)・隠岐(島根県)といずれも島(離島)で開催されてきた「島ごみサミット」。海岸に流れ着く漂着ごみの問題について、現場で行動し、話し合う機会が持たれて早3年が過ぎた。

 4回目となる今年は島ではなく、半島(沿海)で行われた。題して「海ごみサミット 知床・らうす会議」。7月6日、北海道羅臼(らうす)町(知床半島の東の中心地)の公民館で、北海道内外から約80名の多様な参加者を集めて開かれた。

 1年前の2005年7月14日、知床(知床国立公園をはじめとする陸域・海域の計約7万ヘクタール)は世界遺産(自然遺産)としての登録を受けた。今回の会議は、その登録一周年を記念する意味を兼ねつつも「世界遺産地域と言えど、各国沿海で問題となっている海ごみの深刻さはここも例外ではない」ことを訴えるのが主旨。会議前日に行われた「知床岬クリーン作戦」での実地体験をふまえての討議の場となった。

 知床岬(港湾を含む)一帯は一般人は立ち入れないため、ここに散乱するごみは現地で捨てられたものではなく、漂着物ばかりと推定される。岬を廻る船から、遠目でも流木や漁網の塊が見て取れるほどの量。人が立ち入らない場所での作業は予想以上に困難だった。

 動力船を乗り付けられる岸壁から、漂着ごみが特に多いとされる、通称「赤岩」と呼ばれる地点に広がる海辺までは長靴着用での徒歩移動。2kmの道中は、岩場と波打ち際の連続で、難所が続く。これまで10年間、当地のクリーンアップに定期的に取り組んでこられた「クリーン作戦」関係団体の皆さんにはつくづく頭が下がる。

 途中、韓国製・中国製の薬剤容器に遭遇。ロシア語表記の漂着ごみも散見される。ごみは日本海を伝って流れ着くこと、即ち海流は正直であることを実感させられる。ペットボトル、円筒形・円錐形の漁具(アナゴ用)、ロープ・網……。流木をどけるとプラスチックごみが多数現れる。「ごみは片付けても片付けても、きりがない。きれいになったかと思うとすぐに増えてしまう」という地元関係者の声は、正にその通りだと思った。

 世界遺産の大自然は「あるがまま」が本旨。だが、漂着ごみもあるがままでよいかというと、そういう訳にはいかない。ごみを排出するのが人間なら、拾うのもまた人間。人の手が入ることで自然が保たれ、共生につながる。

 海岸にこれだけあるということは、海底はどうなのだろう? 豊かな漁業資源を育む藻場(もば)が危ない、と言われるのもうなずける。海岸ごみよりも海底ごみが多いのも事実。だが、今ここでできることは、目の前にあるごみを取り除くこと、なのである。

 動力船が入れれば、ごみの搬出も少しは容易になると思われるが、それができない以上は人手が頼り。復路は麻袋いっぱいのごみを背負い、船まで1時間。この作業なくして、世界自然遺産はごみから守れない。難儀ではあるが、大変な分、充実感も大きい。この日、総勢約60名により、総重量にして374kg分が回収された。だが、現場にはまだまだごみが残っている。(つづく)

→後編 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06071402J


知床の海と山を臨みながらクリーンアップ

中国と韓国からの漂着容器


記事執筆、翻訳
日付 2006-07-14
筆者 冨田 行一 (TOMITA, Koichi)
媒体 寄稿
団体名 NPO法人 荒川クリーンエイド・フォーラム
URL http://www.cleanaid.jp/
翻訳者

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