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世界自然遺産の地で「海ごみ」について考える会議が開催された
さて、知床岬クリーン作戦の翌日に開催された「知床・らうす会議」。これまでの島ごみサミットに関わってきた方々をはじめ、登壇者や参加者が固定化してきた観があり、それだけ運動としてのうねりも高まってきていることが窺える。しかしながら、協働相手としての省庁関係者、特に環境省(本省)の及び腰が目に付くのは例年のことのようで、今回も国立公園という同省の管轄(現場)での議論にも拘らず、漂着ごみの対応等については残念ながら、リーダーシップが感じられなかった。
もちろん、島ごみ問題への取り組みの重要性は環境省でも十分認識されており、省庁横断型かつ実務レベルでの議論の場も設けられている。だが、各省庁の事情を照応しながら、現状認識から積み上げるアプローチが主で、ビジョンや戦略を設定した上で具体策に落とし込む、というソリューション志向にはなっていないように思われる。
午後の討論では、環境省側の見解や考えをアピールする好機が用意されていたが、議論の主役となる本省と地元の同省関係者は退席してしまったようで、協働型の話ができず、概ね、海洋ごみの実態、瀬戸内海や韓国での取り組み事例、沿岸域管理のあり方、国の動向、地元の取り組みの展望や課題(知床や羅臼ではどう取り組むか)……といった展開(総合討議として、前半・後半でテーマ設定された上での進行)にとどまった。
午前中は、オホーツク海で今冬に発生した油にまみれた海鳥漂着事件の報告、羅臼の漁業と海ごみの関連性、海の多様な生物とごみが与える影響等々、多彩な話題が提供され、認識を深める材料がそろっていた。特に地元関係者は熱心に聞き入っていたようだ。それだけに、午後の討論が惜しまれる。
そのような中、瀬戸内海において、漁業者との連携のもとに海底ごみの調査を進めている、日本福祉大学の磯部作(いそべ・つくる)氏によるまとめが最後に展望を開いた。
「実態把握~合意形成といった段取りは待たず、できるところからどんどん進めるべき」「漁師は金銭的な支援がほしいのではなく、ただ海底ごみを回収してほしいだけ」「自分が網で掬ったごみを戻し、それをまた次の誰かが拾うというのはあまりに非効率」「いつ、どこに船を着ければ回収してもらえるか、といった具体的な施策を」「知床は、瀬戸内よりも取り組みやすい(世界遺産なので国民合意も得やすい)だろう」
漁業など、その地域の生業や営みを通して、必然的に集まったごみをしっかり回収してもらえる仕組み・支援があればいい、ということになるだろうか。
そうした具体的な仕組み作りをビジョンの一つとして掲げ、今ある島ごみ・海ごみを減らしていく、それと同時に、かねてからテーマとされている「ごみになる要素を予防・抑制していく」ことがはっきりしたのは確かである。
会議の締めくくりとして「知床・らうす宣言」が発表され、満場の拍手を以て採択された。宣言の精神は参加者・関係者はじめ、広く定着してほしいものだと思う。
(参考URL)
http://www.rausi.jp/pages/umigomi06.html
(前編:http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06071401J)
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宣言採択時の会場の様子

クリーン作戦中に回収した漂着ライターの分類(会議中に紹介)
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