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EUで、電気・電子機器に特定の有害物質含有を禁止する規制がスタートした。
7月1日よりRoHS(ローズ)指令(Restriction of the use Of certain Hazardous Substances in electrial and electronic equipment:電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する指令)がいよいよ発効となった。この指令により、EU域内で販売される電気・電子機器への特定有害物質の含有が原則禁止となった。
特定有害物質とは、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭素化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)の6種類を指す。
電気製品などにもともと有害なものを使わなければ、処理やリサイクルもより効率的にできる、という製品ライフサイクルの上流起源からの対策と言える。
このEUの規制は、EU市場に対し、電気・電子機器を輸出・販売する日本の企業にとっても一大事となる。日本からの輸入品はEU全体の8%を超えており、米国、中国に次いで第3位。EU域外から入ってくる電気・電子製品にも適用されるので、RoHS指令がEUで公布された2003年2月13日以降、日本企業もそれぞれ対策を進めてきた。
自社製品が対象物質を含む部品や材料をどのように使っているかを洗い出し、場合によっては使用自粛などの措置をとりつつ、今年の7月1日を迎えるに至った訳である。
家庭用電気製品については、冷蔵庫などの大型家電から、掃除機などの小型家電まで、テレビ、パソコン、電話、照明器具、電動工具・玩具、スポーツ機器、自動販売機など、広く規制対象となる。輸出品が多いメーカーほど、インパクトは大きいだろう。
一例として、1999年10月に世界で初めてパソコン用マザーボードの鉛フリー(はんだ等に鉛を使わない)実装を実現したという大手電機メーカーのNECでは、今夏に発売するパソコン全機種をRoHS指令と日本のJ-Moss(注)に対応させている。それらの商品には、J-Moss「非含有マーク」(グリーンマーク)も貼付される。さらに、同社ノートパソコンに関しては全機種で、シックハウスの原因とされる揮発性有機化合物(VOC)やアルデヒド類などについて、電子情報技術産業協会(JEITA)が策定した「パソコンに関するVOCガイドライン」にも対応しているそうだ。(デスクトップパソコンについては、秋以降の予定)
東芝のように2005年4月の段階ですでにRoHS指令への対応を済ませた企業もある。国内大手パソコンメーカー各社は、歩調に違いはあれど、RoHS指令にはすでに対応済みとなっているようだ。(以下、参照)
・NEC「1998年からはんだの鉛フリー化の取り組みを開始し、1999年10月に世界で初めてパソコン用マザーボードの鉛フリー実装を実現~」
⇒http://www.nec.co.jp/press/ja/0603/2301.html (2006.3)
・富士通「2005年度はとくに、欧州のRoHS指令への対応として製品設計手順の枠組みにRoHS指令対象物質が含有していないことを確認するなど~」 (2006.5)
⇒http://img.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jeco/report/hl2006/2006hl07-10.pdf
・東芝「同指令が2006年7月以降EU域内で販売する製品に含有してはならないと定めているのに対して、2005年4月以降に発売する製品に原則として含有させないという方針で取り組み、対応を完了~」
⇒http://www.toshiba.co.jp/csr/jp/report/pdf/report06_05.pdf (2006.6)
・日立製作所「■2005年度の実績 RoHS指令への対応や製品の環境負荷低減を実施した結果(中略)、「製品使用時のエネルギー消費量」を7.2億kWh削減~」
⇒http://www.hitachi.co.jp/csr/download/pdf-file/2006-eco.pdf (2006.7)
外国であるEUの環境法で、日本の企業の環境配慮対応が進むというのは、まさにグローバリゼーションのなせるわざだ。ISOやCSR(企業の社会的責任)も「輸入品」という見方があるが、基本的に洋物志向(追随型)であることは変わらない。そもそも企業の本旨としては、より良質な製品やサービスを追求・提供していくことを優先し、その延長で、こうした指令に適応できていく、というのが本来の(持続可能な)姿かも知れない。
大手企業と言えど、こうした対応には相当の苦慮が伴うものと予想される。中小企業はさらに深刻だろう。競争が熾烈な上に、こうした「外圧」も加わることで、じっくり製品開発する余力を奪っているのでは、と案じてしまう。
ヨーロッパの国々が環境先進国として、様々な環境法の整備をリードしてきている側面が強いが、アジアの国からも環境面のグローバルスタンダードを打ち出せる日が来ることを願いたいものである。
(注)J-Moss(電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法:the marking of presence of the specific chemical substances for electrical and electronic equipment)
資源有効利用促進法(通称:リサイクル法)の見直しによる改正政省令によって、パソコン、ユニット形エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、衣類乾燥機の7品目に、RoHS指令で規制された6物質の含有がある場合は、J-Moss含有マーク(オレンジ色)を表示することが義務付けられた。施行は2006年7月1日。ただし、J-Moss対応=欧州RoHS対応ではない。
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