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各家庭で不要となった家電製品。まだまだ使えるものは海外で重宝されている
日本の家電製品の多くは1年に何回もモデルチェンジが行われ、より新しく多機能な製品を購入しようという欲望が、メディアやCMを通じて掻き立てられる。さらに、修理をするには費用と時間がかかるようにできていて、新しいものを買ったほうがお得である場合が多い。
まだまだ使える中古の家電製品が大量に捨てられてしまうのは、そのためでもある。しかし、日本では不要でも、戦乱や貧困で苦しむ地域にとっては、立派に使える商品となる。そんな日本の中古家電を、アフガニスタン、ナイジェリアといった国々へ輸出し、重宝がられるのにひと役買っている会社があると聞き、訪問することにした。中古家電輸出を営む株式会社浜屋(本社・埼玉県東松山市)である。
浜屋は、提携企業も含め全国に14の拠点を構え、日本の各家庭から不要とされた中古家電を買い取り、海外約40カ国に販売している。1991年に設立され、2005年9月期で年間総売上高が33.3億円という、世界でも有数の中古家電輸出企業だ。
一般家庭のほか、家電量販店や自治体の清掃センターなどからリユース可能な中古家電製品が浜屋に集まってくる。そして、集められた家電製品はコンテナ単位で海外の顧客に販売される。現在の主要な取引先は、ナイジェリア、アフガニスタン、フィリピンなどが多く、直接買い付けに来る。人気の商品は音響機器で、新品だと15万円、中古だと3万円程度の商品が、現地で人気商品となる条件だそうだ。
海外に輸出される中古家電の中には、修理しないと使えないものもあるという。それでは、ごみの輸出になるのでは?という疑問をいだいたが、中古家電を買う側の国にも、きちんと修理できる人や技術が揃っているという。つまり、人件費が高い日本で修理されて高価になった中古家電よりも、壊れている状態の方が安値で購入できるため、買う側にもメリットがあるそうだ。
最近、「不要となった家電、壊れていても無料で引き取ります」という無料回収車をよく見かけるが、これらなども中古家電を仕入れる一つのルートで、浜屋では、製品に応じて数百円から数千円で買い取っている。本来は、家電リサイクル法などにのっとって、処分時にはリサイクル費用を払う必要があるはずのテレビやパソコンなどがどうして無料か?と常々疑問に思っていたが、リユースに回るということであれば、無料なのも理解できる。
(注)無料で引き取る限りは、違法ではない。
浜屋の小林茂社長に、本社倉庫に高く積まれた中古家電製品の山を案内していただいた。「えっ?これが捨てられた家電製品ですか?」と思わず声をあげるような、新しい製品も多数含まれていた。小林社長は、「日本人ほど物を粗末にする人びとは世界にいないよ。新品同様の中古家電が出回っているから、アフリカからも近くのヨーロッパにではなく、わざわざ日本に買い付けに来る。日本の人びとも昔のようにいいものを長く使うという精神を取り戻すべき」と語る。
また、現在の家電リサイクル法の改正論議についても、「リサイクル費用の徴収方法が焦点とされているが、まずはごみが出ないようにすることが第一で、本質的な議論を忘れている」と喝破された。日本のそうした浪費型ライフスタイルが利益につながる会社の社長の言葉だけに、逆説的で深く印象に残った。
消費者が長く使いたくても、修理が高額だし手間が大変という現行システムの問題もある。消費者、メーカー、流通、行政が、知恵をしぼり手をとりあって、もったいなくない社会をめざしていきたい。
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コンテナに山積みされたブラウン管テレビ

日本の中古家電の特徴を語る小林茂・社長

最近のヒット商品はオーディオ機器。新品同様の品も。
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