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日本とフィリピンとの間に結ばれた経済連携協定にNGOが警告を発している
日本とフィリピンとの間に結ばれた経済連携協定(JPEPA)に関し、外国人看護士を受け入れるか否かが注目されているが、問題点はそれのみではない。協定に盛り込まれている有害廃棄物の関税を撤廃する条項には、リサイクルという名目でごみを海外に輸出しようとする動きを加速させるような、大きな問題点が見受けられる。
アメリカの有害廃棄物監視団体「バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)」は11月8日、JPEPAに関する報告書を発表し、同条項が、日本政府の廃棄物貿易の自由化をもくろむ意図的な戦略の一部であるとの懸念を表明した。
現状では、168カ国が批准しているバーゼル条約(正式名称:有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約)によって、有害廃棄物の国際移動に関しては制限が設けられているが、今回の条項の内実は、「リサイクル推進という名目の下、廃棄物の貿易に対する障壁低減を促進する」もので、かつ「廃棄物貿易に対する障壁を排除するために、途上国のグローバル市場における“相対的優位性”を利用した二国間自由貿易協定である」とBANは指摘する。
マニラにあるBANアジア太平洋事務局のリチャード・グティエレスは、「日本が、アジアの途上国と廃棄物の貿易自由化を達成する為に、JPEPAのような二国間自由貿易協定を利用しているという真相が、今やっと明かされようとしている。JPEPAによる廃棄物の貿易自由化構想は、フィリピンの持続可能性に対する脅威であるだけでなく、発展途上国を有害廃棄物の貿易によって不公平に押し付けられる環境汚染から守るためのバーゼル条約の目的や決定事項に対する直接的な攻撃である」と語る。
日本政府のイニシアティブによって設立された(財)地球環境戦略研究機関の政策概要『国際リサイクル特区とアジア域内ネットワークの構築』の中でも、バーゼル条約に基づく廃棄物を輸出入する際に必須とする一連の手続きを、リサイクル可能な資源の国際貿易の障害と見なし、「バーゼル条約の面倒な手続き」を覆すための戦略として、二国間自由貿易協定が位置づけられている。
BANでは、新しく発足したフィリピンのNGO連合、Magkaisa Junk JPEPA(JPEPAの発効を阻止する連合)と共に8日、フィリピンの上院議会へ、1)JPEPAから廃棄物貿易自由化を推進する条項を全面的に削除すること、2)日本とフィリピンのバーゼル条約修正条項(注)を早期に批准すること、など5項目の報告書を提出した。
Magkaisa Junk JPEPAは、「JPEPAはフィリピンを『ごみ共和国』に変えてしまう可能性がある」と懸念しているが、そのような事態が起こらないようにしなければならない。
(注)バーゼル条約修正条項…1995年に国際社会の合意の下、決定した先進国から発展途上国への有害廃棄物輸出の全面的禁止条項
(参考URL)
・BANレポート"JPEPA as a Step in Japan�fs Greater Plan to Liberalize Hazardous Waste Trade in Asia"
http://www.ban.org/Library/JPEPA_Report_BAN_A4.pdf
・日本・フィリピン経済連携協定(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/philippines/jyobun.html
・『国際リサイクル特区とアジア域内ネットワークの構築』(IGES)
http://www.iges.or.jp/en/pub/pb001.html
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