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生態系 食卓に平和を!―ハマグリ類店頭表示調査

愛知 今年もひな祭りに「ハマグリ類店頭表示調査」が行われる。

■ひな祭り商戦に果敢に挑む「ハマグリ類店頭表示調査」

 3月1日朝、今年もひな祭り商戦勃発を告げる総天然色のチラシが、郵便受け破壊が目的のように思える威圧感で新聞に包まって届けられていました。

 毎年3月3日のひな祭りに合わせ、全国に呼びかけ行っているハマグリ類店頭表示調査。女子の健やかな成長を願って、ひな祭りにハマグリを食べる習慣は古く、近年この時期には大量に消費されます。「アジアの浅瀬と干潟を守る会」では、日本のハマグリと干潟の現状・流通と消費の実態を見るために、 2005年からこの調査を始めました。必要な情報は、購入先の所在地、表示されている品名、産地、価格です。デジタルカメラで撮影した画像があれば、どんな種類かなど、さらに詳しいことがわかります。

■外来種が守る伝統食文化

 開発という名の破壊の波は、大阪湾周辺、東京湾周辺から、東海、瀬戸内、そして九州へと波頭を高くしながら住処を呑み込み、通り過ぎて行きました。最盛期3万トンもあった国内在来2種(ハマグリ・チョウセンハマグリ)の漁獲高は、今では食材はおろか、種としての存続が危ぶまれるほど減少しています。国内種の保全をせず、輸入外来種によって伝統食文化を継承することは果たして良いことなのでしょうか。

■特売チラシからは見えない国内外産地の疲弊

 愛知県では絶滅危惧ⅠA類に指定されているハマグリ。絶滅危惧種を特売チラシに掲載すること自体が問題です。活きた貝をバレンタインデーのチョコレートのように、たった1日で爆発的に流通消費する商習慣にも問題があるように思います。日本の経済発展に倣って乱開発を行い、生物資源の著しい減少を招いている世界の工場中国。「ひな祭り」という異国の祝祭需要に間に合わせて、中国国内のエビ養殖の跡池などに北朝鮮からの輸入品や、国内産地から集めたものを溜め置く「蓄養」を行ってくれています。

 韓国ではシナハマグリの最大産地セマングムで大規模な干拓事業(40,100ha)が進み、中国では長江河口の埋め立てや三峡ダム、渤海湾の水質悪化などの影響で、東アジア全体でさらなるハマグリの減少を招く原因を作り続けています。

■よみがえれ!干潟の宝石”はまぐり”

 戦禍の果てに売り場には、身の痩せこけた蓄養品ばかりが並ぶハメに。96年には3万6000トンあった消費量も2005年には2万トン弱へと減少し、ハマグリ類は雅な食材から、祝祭事の古式ゆかしき飾り物へとその趣を徐々に変えることとなりました。

 三重県桑名市の赤須賀漁協では漁業者自ら人工種苗生産を行うなどの努力を重ね、95年の0.7トンを底に、特産品“桑名のはまぐり”はV字回復を果たしています。赤須賀漁協の取り組みを手本に、小規模ながらも日本各地で資源回復が試みられており、こうした取り組みが東アジア全域で実を結ぶことを期待しています。産地の取り組みを消費者が財政面で支援する“東アジアハマグリ基金”の一日も早い創設を願って、これからも活動を続けていくつもりです。


スーパーで売られる中国産ハマグリ

北朝鮮産蓄養シナハマグリ(2005年、名古屋)

スーパーのチラシ
記事執筆、翻訳
日付 2007-03-02
筆者 山本 茂雄 (YAMAMOTO, Shigeo)
媒体 寄稿
団体名 アジアの浅瀬と干潟を守る会
URL http://asariya.blogzine.jp/asian/
翻訳者

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