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国立環境研究所がまとめている「脱温暖化2050プロジェクト」の中間報告が発表された。
2007年2月は京都議定書が発効して2年が経過したのに加え、アル・ゴア元アメリカ副大統領の出演する映画「不都合な真実」のヒット、IPCC第1部会の最新報告の公表、イギリスのスターン卿報告「気候変動の経済学」の日本語訳公表などが相次ぎ、世界的あるいは国際的視点からみて、日本の地球温暖化対策への取組みを加速しなければならない、と改めて思い知らされた月であった。
そんな中、2月15日に国立環境研究所と複数の大学・研究機関が中心となってまとめている「脱温暖化2050プロジェクト」の中間報告が発表された。
この報告のポイントはいくつかあるが、従来の研究と大きく異なるのは、「現在からどれだけ減らせるか」というアプローチではなく、「2050年の望ましい未来は?」という将来像からスタートしている点である(バックキャスティング)。将来像はシナリオA(ドラえもん型:活発な、回転の速い、技術志向の社会)とB(サツキとメイ型:ゆったりでややスローな、自然志向の社会)の2種類が描かれている。
実際には2つのシナリオが混在すると考えられるのだが、いずれのシナリオでも、2050年には温室効果ガス排出が90年に比べて70%削減できるという結論が現時点で得られている。ただし、70%削減のためには核融合など不確実な技術は想定されていない。
こうした未来をつくっていくために、どのくらいの費用が必要かという試算もなされている。70%削減を達成するための技術の直接費用は約6兆7000億~9兆8000億円で、これは、想定される2050年の日本のGDPの約1%程度である。当然のことながら、脱温暖化社会をつくろうという決断は早ければ早いほど、経済的にも、そして変革受容の点からも有利である。
2050年はそれほど遠い未来ではない。それまでに、私たち市民団体は、本報告が掲げる70%削減という未来像を見据えて、必要な政策を実現するための活動を続けていくとともに、市民生活においても脱温暖化社会に適合した「暮らし方」ができるよう心がまえをしていかなければならない。
東京では観測史上初めて、「雪の降らない冬」になるのではないかといわれているが、本報告は、地球温暖化と気候変動の防止をめざして、私たちにできることを悲観的にならずに提案していくバイブルといって良いだろう。
【注】IPCC:気候変動に関する政府間パネル
【参考】
記者発表(日本語資料)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070215/20070215.html
報告書(参考英文)
http://2050.nies.go.jp/interimreport/20070215_report_e.pdf
映画「不都合な真実」サイト(日本語)
http://www.futsugou.jp/
同サイト(英語)
http://www.climatecrisis.net/
スターン卿報告「気候変動の経済学」(イギリス大使館、PDF)
http://www.uknow.or.jp/be/environment/environment/stern_review_short_summary.pdf
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2100年までの気温上昇予測(UNEP/GRID-Arendal)
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