Google WWW を検索 サイト内検索

環境ニュース

市民団体・市民紹介

地球と生きる方法

環境ニュース > 環境汚染 (日本 発)

環境汚染 いまだかつてない分譲住宅地の土壌汚染!

岡山 平穏な一家団欒を求めて移り住んだ団地に有害ガスが噴出

 岡山市郊外に、閑静な住宅団地がある。岡山市東部の国道を折れた川沿いにある「小鳥が丘団地」だ。全34戸約120人が暮らす、ごく普通の郊外団地である。この団地の住民から、環境問題について活動する私のところに相談が寄せられ、団地を訪れた。住民によると、雨の後、団地に隣接する川の護岸に黒い水や時には白濁水が染み出してくるという。この団地は1990~93年に、地場企業「両備グループ」の両備バスによって分譲されており、その際には、同社から土壌汚染に関する説明は一切なかったという。

 事の起こりは2004年7月のこと。岡山市水道局の水道管取替え工事だった。道路を掘ったところ、黒い土、黒い油が出てきたのだ。同年9月に分譲業者・両備バスの実施したボーリング調査では、トリクロロエチレン(基準の27倍)、ベンゼン(基準の26倍)、ジクロロエチレンなど、環境基準値を大きく上回る有害物質が含まれていたことがわかっている。しかし同社は「開発時は環境基準もなく、汚染土壌の認識はなかった」と説明した。

 04年10月になって同社は、「環境対策検討委員会」を設置した。岡山市もオブザーバーとして加わった。しかし委員会は非公開で、住民は傍聴すらできず、議事録の閲覧すら拒否された。しかも委員会は3回開催しただけで、2ヵ月後わずか2ページの意見書をまとめて解散した。意見書は「直ちに健康被害の危険性はないが、推移を見守る必要がある」との内容だったという。しかし住民によれば、一度として、委員会が視察に訪れたことも住民の声を聞くこともなかったという。住民不在の密室協議の委員会を「中立性を保ち議論も適正」とした岡山市の評価はなんだろう。両備と癒着していると批判されても致し方あるまい。

 岡山市に対してはもうひとつ、不可解な疑念がある。取替え工事を行おうとした当地の水道管は、1980年代最初に敷設されたものだが、「鉛管」であった。水道用鉛管の新設は1978年すでに中止されていたにもかかわらず、岡山市水道局は「樹脂系のポリエチレン管は化学製品のため変質する恐れがあり鉛管の使用を承認した」(06年2月14日、水道局の説明)というのだ。当時、水道管敷設業者から「土壌が悪いので耐久性に問題がある」として、鉛管使用が申請されたと。宅地造成に伴う水道管の敷設工事である。団地のディベロッパーである両備もそれを知らなかったとでもいうのだろうか。

 住民の健康被害も相次いでおり、一家全員がアレルギー、あるいは慢性鼻炎、皮膚炎、頭痛を訴える住民が続出している。水道管取替え工事後の04年9月、岡山市の聞き取りによる健康相談に応じた住民65人のうち、3分の2に当たる42名に「気になる症状」の訴えがあったことが明らかになっている。しかし、岡山市は住民の求める土壌汚染との因果関係を明らかにするための健康診断は実施していない。

 そもそもこの団地の地所にはかつて、「旭油化工業」(以下、旭油化)という産廃処分業があった。石鹸工場からの廃液を処理していたのだという。当時、旭油化は川に廃液・廃油を垂れ流したり、廃棄物を野積みしたりといった違法操業を繰り返していた。

 団地の第一期分譲で入居してきた住民からの苦情で、両備は1982年7月、旭油化の土地を追加購入し造成して二期・三期と分譲した。そのときに両備は旭油化との間に「汚染物質の撤去」を明記した岡山簡裁の和解調書を取り交わした。両備はこの時点で汚染の可能性を知りながら、分譲したとしか思えない。

 付言すると、この汚染原因者=旭油化は香川県豊島に産廃を排出していた企業のひとつで、25年ほど前に倒産している。

■不可解なテレビ放映中止

 今年2月9~12日、テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」取材チームが取材に入った。事前に団地住民には電話取材、資料提供の要望があり、住民は取材に対し全面協力した。取材には女性ニュースキャスターや地質汚染専門の研究者も同行してきた。

 団地住民の宅地内の庭を掘り起こした。造成時の化粧土に使用されたマサ土(風化花崗岩)はわずか10cmたらず。その下は黒い土。噴き上がる臭いに女性キャスターは気分を悪くし、「マスクがないか」と、その場にへたり込んだと取材に協力した住民は証言する。

 研究者は土壌に含まれるガスを測定、メタンで7~8000倍、ベンゼンで1000倍ぐらい地中下に含まれていると説明、「住宅地の土壌汚染は日本で初めてだ、恐れていたことが起きた」と。

 住宅では、ガスや臭いを防ぐために床下にシートを敷き詰めた住民もいると聞いた。地中から噴出したメタンが床下に充満する恐れはないのか、隙間を通して床下から室内に侵入することはないのか。メタンガスは燃料にもなるほど燃焼力が強く引火性が強いことは周知のこと。一定の濃度になれば爆発的に燃えると思うと、ぞっとした。

 しかし、テレビ朝日からは、団地住民への十分な説明もなく、一方的に放映中止になったと聞かされたという。取材協力を住民に求め、住民から資料の提供を得、取材期間に関係者への取材の案内や、宅地の庭の掘削まで協力を仰ぎながら、住民の納得できる説明がないというのは、メディアの倫理観からしてジャーナリストとしてとるべき態度とは思えない。何か政治的圧力が働いたのではないかと思うのはうがち過ぎだろうか。


岡山市「小鳥が丘団地」

護岸には何か染み出した痕跡(07.3.11いずれも筆者撮影)


記事執筆、翻訳
日付 2007-03-23
筆者 松本 宣崇 (MATSUMOTO, Nobutaka)
媒体 寄稿
団体名 環瀬戸内海会議
(Pan Seto Inland Sea Congress)
URL http://ww1.tiki.ne.jp/~rkshizutani/
翻訳者

掲示板 新規書き込みは >>こちら

[3312] 小鳥が丘の土壌汚染について裁判所による“現地検証”があります
Name:水土ミカ Date:2008-04-13
★裁判所による“現地検証”が行われます★

日時 ; H20年5月30日(金)13:30分~15:30分

場所 ; 小鳥が丘団地現地

~ 関心のある方の立会い歓迎 ~

http://beauty.geocities.jp/oecacasa/kotorigaokanorekisi.htm

http://www.geocities.jp/kotorigaoka/


[2104] “ フォーラム・小鳥が丘団地土壌汚染問題 ”のご案内
Name:水土ミカ Date:2007-10-20
~いまだかつてない日本一の住宅団地の土壌汚染を考える~  
  を団地近くの公民館で開催します。ふるってご参加下さい。(入場無料)  
       http://www.geocities.jp/kotorigaoka/

日時:2007年10月28日(日)   13:30~16:30

基調講演
  講師 畑 明郎氏 大阪市立大学大学院教授   日本環境学会会長
    
現地報告
  丸山 直希氏 (愛知県小牧市桃花台ニュータウン土壌汚染)考える会代表
    
総合司会
  石井 亨氏  豊島公害調停選定代表人として調停に参加


主催
 小鳥が丘団地救済協議会
  http://www.geocities.jp/kotorigaoka/

会場:岡山市上道公民館

page top