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世界的な問題となっているE-waste問題の解決に向けて国連機関や産業界が動き出した。
3月7日、国連機関や欧米の大手ハイテクメーカーなどの協力により、E-waste問題を解決するためのグローバルなイニシアチブ“Solving the E-WasteProblem(StEP)(注)”が正式にスタートした。
2002年、アメリカの環境NGOバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)などによって中国やインドにおけるE-wasteのリサイクル過程で環境汚染や健康被害を引き起こすE-waste問題が明らかとなった。欧州環境庁によると、E-wasteの量は、現在、他の都市ごみの量の約3倍の速さで増加しており、世界で1年間に排出されるE-wasteの総量はまもなく4,000万トンに達すると考えられている。
報道発表資料によると、StEPイニシアチブの主要な目標は、E-wasteを解体して最大限の回収を行い、回収された物質を管理するために世界的な統一指針を作ること、とある。日本がすでに実施しているパソコンのリサイクル制度は、途上国はじめ、多くの国では導入されていない(焼却、投棄されているのが実状。StEPは、世界共通のリサイクルの仕組みを作るための初めての試み。中国国内で廃棄されたE-wasteを安全に解体処理できるよう中国を支援する大規模なプロジェクトも進行中とのことだ。
今回のStEPイニシアチブは、国連大学(UNU)、国連環境計画(UNEP)、国連貿易開発会議(UNCTAD)といった国連機関を中心に、ヒューレット・パッカード、マイクロソフト、デル、エリクソン、フィリップス、シスコシステムズなどの欧米の大手ハイテクメーカー、学術機関、アメリカ環境保護庁などが創立メンバーとなった。
日本からは日本貿易振興会アジア経済研究所が参加しているだけということもあってか、3月23日には、経済産業省の主催によるワークショップも東京で開催され、StEPイニシアチブを紹介したウィーン工科大学のシャイト教授も、経済産業省や日本のメーカーやNGOへの参加を呼びかけた。
国連事務次長で国連大学学長でもあるハンス・ファン・ヒンケルは、「StEPへの参加企業は、E-wasteの処理・削減・リユース・リサイクルのための、人にも環境にも安全な世界基準プロセスができることで恩恵を受けるでしょう」と語っている。
確かに、影響力の大きな大手メーカーが動き出したことは、E-waste問題の解決に近づくかもしれない。しかし、主要な目標として現在発生している環境汚染や健康被害の防止よりも、資源回収の方に力点が置かれているのが気にかかる。
また、StEPにはアメリカとドイツから3つのNGOが参加しており、NGOの参加も歓迎ということだが、BANのようにE-waste問題に長年取り組んできたNGOが参加していないのが気になった。
そこで、BANのスタッフに、StEPイニシアチブについての評価を尋ねたところ、StEPが発足した3月7日に、「透明性とE-waste貿易の告発を欠いたStEPプログラムに関する声明」を発表していることを教えてもらった。
この声明では、「StEPイニシアチブは、開発という名で途上国への危険なE-wasteの輸出を支持しているように見える。これは既存の国際法の義務の逆をいく」、「BANはStEPに参加したい旨を申し出、それと同時に、途上国における電子廃棄物問題について取り上げている組織がなぜ参加していないのかについて問うたところ、参加が認められなかった」、「StEPに参加を希望するNGOは、StEPの創設メンバーの承認を受け、なおかつ2000ユーロの会費を払わなければいけない。これでは開かれているとは言えず、関心のある団体を締め出すように設計されたかのようだ」など、9つの点を指摘している。
東京のワークショップでも、中国でのプロジェクトのパイロット事業で、手作業による資源回収でかなりの成果をあげたという報告がされた。現在でも安全にE-wasteを解体する工場があるにもかかわらず、そうした工場では処理コストが高いとE-wasteが集まらず、危険な解体作業現場にE-wasteが流れていることを考えると、何か秘策があるのかもしれないが、本当に大丈夫なのか心配になる。
E-waste問題解決に向けて国連機関や世界的な企業が動き出したこと自体は歓迎するが、やはり自国で排出されたE-wasteは自国で安全に処理したうえで、資源として流通させるという原則をしっかりと確認すべきだと思う。StEPイニシアチブの次なるステップに注目したい。
(注)StEP…「電子廃棄物問題の解決」を意味する英語の頭文字を取った略称。
・StEP(英文)
http://www.step-initiative.org/
・BANプレスリリース(2007年3月7日)(英文)
http://www.ban.org/ban_news/2007/070307_refusal_to_denounce.html
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東京でのワークショップ(3/23)の様子

StEPイニシアチブのウェブサイト
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