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かつて汚染物質が含まれていた新市場予定地は安全か
東京の台所である築地市場。流通環境の変化などに対応するには手狭で老朽化が進んできたという理由から、移転計画が検討され、移転先として「豊洲新市場」の話が持ち上がっている。
2004年7月に基本計画が策定されて以来、着々と計画は進み、工事も進行。2006年3月、都の交通機関「ゆりかもめ」が市場予定地を新たに通る区間を延長開業し、市場の影も形もない状態ながら、その予定地の最寄駅は「市場前」と名づけられた。2012年の開場をめざして、移転事業が進んできたことの表れでもある。
既成事実のようになっていた市場移転だったが、8日に行われた東京都知事選の争点の一つとなったことで、俄かに注目を集め、是非が問われるようになった。そこで、都知事選投票日を翌日に控えた4月7日、新市場予定地を実際に訪ね、工事の進み具合を検証しつつ、市場移転の是非について考えてみることにした。
豊洲(埠頭部分)は、もともと戦後まもなくに東京電力と東京ガスなどによって造成された場所だ。造成地の中央から突端部にかけて、昭和40年代ごろまで東京ガスの都市ガス製造工場が操業していたが、その跡地には環境基準を大幅に上回る毒性(ベンゼン、シアンなど)が土壌に含まれていた。これは、東京ガスによる自主調査で2001年1月には明らかになっていたことである。
土壌汚染があった跡地一帯は、豊洲新市場が完成すると水産物卸のための流通ゾーンとなる予定。東京ガスの調査で出された発がん性を有するベンゼン1,500倍、青酸カリの原料であるシアン490倍といった数値からしてもわかるように、当地の土壌汚染は深刻。汚染の跡地に、食(一次産品)を扱う市場を移転していいのかという懸念は大きい。
東京ガスは、調査後速やかに土壌処理を行い、今は無害化したことになっている。そのため、新市場予定地の現場では造成工事が粛々と続けられており、訪れた当日も、土曜日ではあったが多くの作業員が働いていた。無害化されたとはいえ、環境基準を超える毒性を示した場所だった事実は変わらない。作業員は特段の防護策をとっているようには見受けられなかったが、本当に大丈夫なのだろうか。
市場移転を受けて、突端の方から内陸の方へ場所を移した、「ガスの科学館」という東京ガスの施設がある。案内係として館内を巡回されていた同社OBの方にお話をうかがったところ、市場建設に際し、東京ガスから東京都に土地を引き渡す形になったため、きちんと無害化して引き渡したこと、土壌汚染はもともと予測不能な面があり、その処理もどこまでやれば万全、と言い出すとキリがないのではないか、と話された。
新市場の移転をめぐる問題について、三選を果たした石原慎太郎知事は、当選後の会見などで「必要であれば」新市場予定地を再調査する可能性について示唆した。「都民の安全な暮らし」の実現を掲げて当選した石原都知事。「必要であれば」というが、「食の安全」という安全な暮らしの基本に関わる問題だけに、2001年時点の調査からさらに踏み込んだ形での再調査を早急にお願いしたいところである。
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新市場建設のための造成の進む汚染跡地

ゆりかもめ「市場前」駅
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