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急速に減少するブラウン管テレビ。そのリサイクルが、将来大きな問題になりそうだ。
2011年の完全地上デジタル放送への以降と、大量生産による低価格化がすすんだことで、家電量販店の店頭で販売されているテレビのほとんどがブラウン管テレビから液晶テレビへと変わっている。
現行の家電リサイクル法で、リサイクルが義務づけられているブラウン管型テレビ。その6割以上がガラスでできており 、家電リサイクル法で定められた再商品化率の55%を達成するためには、このブラウン管ガラスのリサイクルは絶対条件ともいえる。
本来であれば、精製したブラウン管ガラスは再度ブラウン管テレビに使えるが、すでに国内ではブラウン管テレビの製造をしていない。他のガラスにリサイクルしようにも 、ブラウン管ガラスには、普通のガラスとは異なる有害な鉛が含まれているため、そう簡単な話ではない。
4月27日に、家電リサイクル法改正を議論する審議会が開かれ、(社)電子情報技術産業会・(財)家電製品協会から 「テレビのリサイクルに関する諸課題について」という報告がなされた。その資料によると、ブラウン管ガラスは、含まれている鉛のために、食器用ガラスはもちろんのこと、照明用ガラスや建材用のガラスブロックに転換することさえ、現在の技術では困難だという。リサイクルして精製ブラウン管ガラスにしたとしても、ガラス繊維や鉛精練への利用程度で、合計約11,400トンしか使い道がなく、路盤材などへの利用すらできないのだ。
再商品化される精製ブラウン管ガラスは、韓国、タイ、マレーシ 、シンガポール、インドネシアといったアジア諸国でのブラウン管テレビの原料として輸出され、その量は2005年度では約53.7万トンにのぼる。ただ、精製ブラウン管ガラスであっても、鉛が含まれていることから有害物質の越境移動を禁止するバーゼル条約に 抵触するため、輸出国と輸入国の合意がなければ簡単に輸出することはできない。
こうした事情がある中、液晶テレビへの買い替えが進むことで、毎年、廃棄・回収されるブラウン管テレビの台数は、2001年度からの5年間で約87万台増加し、2005年度には約385万台が処理されている。ここで家電リサイクル法で義務づけられた「再商品化率55%」が問題となる。
2001年の法施行以後、年々増加していたブラウン管テレビの再商品化率は2004年度に81%を記録したものの、翌年度には77%まで落ち込んでしまった。これは、法律では「製品の部品または材料として有償または無償で譲渡しうる状態」にすることが「再商品化」と定められているため、前述のように使い道が無くなったブラウン管ガラスをお金を払って引き取ってもらう(逆有償)分は、「再商品
化」したと見なされないことが原因だ。2011年にデジタル放送に切り替わる際の大量廃棄も想定されることから、法律で定められた55%の再商品化率を維持し続けるのは、大変厳しいといわざるをえないだろう。
では、どうするのか?審議会で報告した委員によると、経済成長著しい中国への輸出を期待しているとのことだ。素人考えだが、韓国や東南アジアを足した以上の需要が、中国にあることは予想に難くない。法律で定められた義務についての特別な措置が講じられなければ、メーカーが、2011年前後で大量に発生するブラウン管ガラスの受け手を中国に求めるのは当然だろう。
しかしながら、同じレポートの中では、国際的な精製ブラウン管ガラスの需要の減少ということも言及されている。現在の日本でも他に使い道のないブラウン管ガラス。当面は、ブラウン管テレビを製造する国々で使ってもらえるかもしれないが、そう遠くないうちにそうした国々でもブラウン管ガラスの処理に困る事態が発生するのは目に見えている。であれば、有害物質の付回しといえるのではないだろうか。
中国へのブラウン管ガラス輸出に期待するのではなく、ブラウン管テレビで便益を受けた消費者やメーカーなどの関係者が、最終処理費用のコストをしっかり負担し、何らかの使い道を見つけることこそ、必要なのではないだろうか。
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メーカー系列の家電リサイクルセンターに集まったテレビ

ブラウン管ガラスは、2つのパーツに解体される

香港から中国本土に持ち込まれたブラウン管(提供:Green Peace中国)
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