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2050年までに温室効果ガスを削減しようとする動きが始まっている。
ドイツ・ハイリゲンダムで6月7日から開催されたG8サミットでは、気候変動が最大のテーマとなった。奇しくもドイツ・ボンで95年に開催された気候変動枠組み条約の第1回締約国会議(COP1)で当時、環境大臣として議長を務めたメルケル首相が、今回のG8サミットでも議長を務める。このG8サミット開催直前、5月24日に、日本の安倍首相は、「美しい星へのいざない―Invitation to Cool Earth50」を発表した。
この提案は(1)世界全体の排出量削減のための長期戦略の提唱、(2)2013年以降の国際枠組み条約構築に向けた「3原則」の提唱、(3)京都議定書の目標達成に向けた国民運動の展開の3つの柱で構成されている。一見、大胆にも見える提案だが、安倍首相の提案では、日本の場合では1990年比で8%以上増加した現在から半減しようという内容だ。
すでに、イギリスでは今年3月に発表した気候変動法案で、CO2排出量を2050年までに60%削減するべく動き始めている。何より日本のNGOも、これまで幾多の削減シナリオを提起してきているし、国立環境研究所などが「2050日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討」と題する研究レポートを今年の2月に発表し、温室効果ガスの半減以上が可能であることを紹介している。
市民セクターと企業セクターの連携による市民立法活動を行ってきた市民立法機構の設立10周年を記念して開催されたフォーラムでも、「次世代に“付け回し”をしない市民社会」をつくろうと、「温室効果ガスの計画的削減に関する法律」の制定が、須田春海(市民立法機構共同事務局長)より提起された。この提起は、政府の定めた「地球温暖化対策推進大綱」(1998年)、改正「地球温暖化対策推進大綱」(2002年)、「京都議定書目標達成計画」(2005年)では温室効果ガスの削減ができなかったことを前提に、あらためて中長期的なスパンでの計画的な削減を行うためのフレームとなる法律が必要であることを強調している。具体的には、国内排出量の70%削減に加え、海外CDMで30%分の削減を達成し、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにすることを目標としている。この目標達成の手段として、現在の日本政府の赤字解消策として考えられる消費税増税時に、消費税を環境税として組み替えることや、石炭利用の規制などがあがっている。
各種報道によると、今回のサミットでは、安倍首相の提案よりも踏み込んで、1990年比での温室効果ガスの2050年までの半減を主張しているEUと、アメリカなどの決裂も危惧される中、世界の温室効果ガス排出量を、2050年までに少なくとも半減させることを含むEU、カナダ、日本の決定を真剣に検討することでかろうじて合意にこぎつけたようだ。また、2012以降の京都議定書終了後の新たな枠組みについても、京都議定書を離脱したアメリカなどすべての主要排出国を含めて、2009年までに合意を目指すこととなった。
このG8サミットの結論は、全く満足できるレベルには程遠いにせよ、気候変動の影響を目の当たりにするようになった今、2050年までに温室効果ガスを半減させるということが不可欠という認識は広がりつつある。ただ世界的に増加の一途をたどってきた温室効果ガスの排出を半減させることは確かに相当の覚悟も必要だろう。原発容認などは認められないと思っているが、緊急避難的にCO2を排出しない原発の使用すらやむをえないとする声すら聞こえてくる。どのような選択をして、どのような未来を次世代に残すのか。まさに、次世代に“付け回し”をすることだけは許されない。議論だけではなく行動が求められている。
(参考URL)
・「美しい星へのいざない―Invitation to Cool Earth 50」(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/abespeech/2007/05/24speech.html
・2050日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討
(国立環境研究所)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070215/20070215.html
・2050年に温室効果ガス70%削減が可能!(2007/3/2)
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J07030202J
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温室効果ガスの計画的削減に関する法律」を提案する須田春海さん(市民立法機構共同事務局長)

2100年までの気温上昇予測(UNEP/GRID-Arendal)
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