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ごみ・リサイクル 寝耳に水の廃プラスチックの「可燃ごみ」化

東京 これまで不燃ごみとして分別していた廃プラスチックが、来年度から可燃ごみになるという。

 先日、世田谷区で区報『せたがや』清掃・リサイクル特集号(5/27)が各家庭に配布された。「埋立処分場を1日でも長く使い 資源を有効利用するために…」という大きな見出しの中味をよくみてみると、今までせっせと不燃ごみとして分別して出していたプラスチック類のごみ(ペットボトル、食品トレーは店頭回収)が、来年度から可燃ごみになるというお知らせだった。

 この世田谷区の動きは、「東京二十三区清掃一部事務組合」のお知らせによると、東京港内に残された最後のごみ埋立処分場を1日でも長く使用し続けると共に、埋立処分場に占める割合の高い廃プラスチックを、可燃ごみとして焼却することにより熱エネルギーを回収する「サーマルリサイクル」を実施することが、2005年10月に23区の特別区区長会で決定されており、その方針に基づいている。

 すでに、2006年7月の品川区を皮切りに、大田区・足立区(06年9月)、杉並区(06年10月)、江戸川区(07年3月)、葛飾区(07年4月)の6区の一部地域で、廃プラスチック、ゴム、皮革類を「可燃ごみ」とするモデル収集実施が行われており、今年の7月からは私の住む世田谷区の一部で同じモデル収集が始まるというのだ。各区のホームページによると、豊島区、新宿区(7月)、板橋区(10月)でも同様のモデル収集が始まる模様だ。

 これまで日々の暮らしの中で、世田谷区の示す「資源・ごみの分別」基準にしたがって、カップラーメンの蓋は可燃ごみ、カップは不燃ごみ、食べ残しは可燃ごみへ、などと面倒だな~と思いながらも、細かく分別をしてきたというのに、全部一緒に可燃ごみでいいですよと言われても、今までの手間は何だったの?!という感じがする。

 そもそも東京都では、プラスチックを燃やしていた清掃工場の廃水から基準を超える重金属類が検出されたことがきっかけとなって、1973年からプラスチックを「不燃ごみ」として分別収集が始まった。この30年で、焼却施設の性能が向上し、プラスチックを燃やしても問題はなくなったというのが、廃プラスチック焼却容認の根拠のようだ。確かに10年ほど前のダイオキシン騒動で、ダイオキシン規制は進んだようだが、排ガス中のダイオキシンン類の濃度測定は年1回以上でOKとなっているし、排ガス中の重金属類については規制がないという状況では、本当に安全とはにわかに信じがたい。

 そして、2000年から完全施行された容器包装リサイクル法では、「その他プラスチック」にも再商品化義務が課されている。もっとも、この再商品化をするかどうかは自治体の裁量に委ねられているが、容器包装リサイクル法のスキームを活用して、23区の内、10区(全域実施=豊島区、全域実施予定=千代田区・品川区、一部地域実施=中野区・杉並区・葛飾区・江戸川区、一部地域実施予定=新宿区、目黒区、練馬区)が何らかの形で、廃プラスチックを焼却ではなく資源化をしている。

 廃プラスチックの再商品化には、世田谷区などのように「不燃ごみ」として収集しただ埋め立てるよりも、手間もお金もかかる。それでも、貴重な資源を有効に使おうと頑張っている自治体とそこに暮らす市民の努力を反故にして、燃やして熱エネルギーとして回収しようというサーマルリサイクルは、どうしても納得できないものがある。

 容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局の中井八千代さんは、「廃プラスチックを焼却する自治体だけが負担すべき焼却炉の痛みによる改修費用や、焼却費用といった多額の費用が、練馬区をはじめとする容リ法に取り組む10区に分担金としてはね返ってしまう。また、住宅の密集している23区では、清掃工場の排ガスは、風向きでどこへでも飛散する。多量のプラスチックを燃やした排ガスなどの安全性が確認されていないことや、サーマルリサイクルの効率が20%前後と低過ぎる中での焼却処理は極めて問題だ。まずは、容リ法にのっとり、「その他プラ」の取り組みを最低条件として進める必要がある」と語る。

 便利なプラスチックを大量に使ってきた自らの暮らしをまずは反省するけれど、まずはレジ袋有料化のような身の回りの余分なプラスチックを減らすための努力、ついで容リ法で資源化が先であって、廃プラスチックをいきなり燃やすのは、どう考えても順序が逆ではないだろうか。

(関連URL)
・廃プラスチックのサーマルリサイクルについて(東京二十三区清掃一部事務組合)
 http://tokyo23.seisou.or.jp/thermal/index.html

・区のお知らせ「清掃・リサイクル特集」2007年5月号(世田谷区)
 http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/d00012928.html


区のお知らせ「清掃・リサイクル特集」2007年5月号(世田谷区)




記事執筆、翻訳
日付 2007-06-22
筆者 廣瀬 稔也 (HIROSE, Toshiya)
媒体 寄稿
団体名 東アジア環境情報発伝所
(East Asia Environmental Information Express Messenger)
URL http://www.eden-j.org/
翻訳者

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