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5回目となる海ごみサミット。今回は日本最大の離島、佐渡島で開催された。
7月1日~2日の日程で、「海ごみサミット・佐渡会議」(共催:佐渡市・JEAN/クリーンアップ全国事務局)が開催された。
まず、初日に、佐渡市相川地区の七浦(ななうら)海岸にて海岸清掃が行われた。佐渡市の高野宏一郎市長をはじめ、新潟県粟島浦(あわしまうら)村の本保(ほんぼ)村長、島根県隠岐の島町の松田町長も駆けつけ、島の自治体間の連携を感じさせる取り組みとなった。景勝地である夫婦岩付近から北へ約800mの範囲を島外からの参加者65人を含む総勢約170人が2時間ほどかけてクリーンアップを実施。網、ブイ、タイヤ、鉄くずなどの大物の他、プラスチック燃えカス、薬ビン、注射器などが収集された。
夫婦岩周辺では、行楽客がポイ捨てしたと思われる容器包装の類のほか、大型プラスチック片や流木も見つかった。今回のクリーンアップにより、ひとまずごみのない美観を回復できたと思う。6月30日にも島内各地で海岸清掃が行われ、2日間合計で約3,200人、40トン分を回収したという。(2006年は31トン)
佐渡島は離島ではあるが、海岸沿いの道路が整っていることから、漂着ごみへもアクセスしやすく搬出しやすい。ごみを島内で処理することも可能。日本に数多くある島の中では恵まれた環境にある。そのため、漂着ごみに関わる各省庁関係者が現場を視察する際、その量や惨状を目の当たりにする上ではいいとしても、運搬や処理についての問題点が切実に伝わらない可能性がある。島にはそれぞれの個性があるように、ごみへの対処や課題も多様だ。そうした各島の事情などをまず共有する上で「海ごみサミット」の意義は大きく、特に現場自治体と国・省庁の関係者が討議するには格好の場となる。
2日目の7月2日、佐渡会議本番は、地元住民のほか、関係省庁や自治体、NGO/NPOなど100人超が参加。事例紹介を中心に、中味の濃い会議となったが、第2部の「自治体首長セッション」では会場からの質疑が特に出ないなど、不発な面もあった。自治体 対 省庁という構図にする必要はないとしても、両者が討議する場面が一つの要。午後の第3部「全体討議」は、首長セッションで投げかけられた国への要望を各省庁関係者が応答する形で始まった。
首長セッションは、これまでのサミット開催地である飛島(第1回)から酒田市副市長、対馬(第2回)から対馬市長、隠岐(第3回)から隠岐の島町長が顔をそろえ、これに三重県鳥羽市の木田市長が加わり、パネリストは4名。佐渡市長がコーディネーターを務める形で行われた。回を重ね、サミット開催地首長がそろうようになったことから、実質的なサミット(首脳会議)となったことは特筆される。島ならではの論理や世界観が語られる中、島を有しながらも本土つながりであることからか、特に鳥羽市長の意見はより提案型かつ現実的で「ごみがたどり着いた先に対して補助を出すという発想がそもそもおかしい」「デポジット制度の促進、消滅型素材への転換を進め、ごみの抑制を」といった話が出た。
セッションは概ねその話を発展させる形で進められ、対症療法型の施策からの脱却と、ごみ処理当事者である各市町村が利用しやすい省庁横断型の補助金制度等の再整備などが提言された。首長セッションのまとめとして「当事者の立場からより具体的かつ積極的な方策を連携しながら図っていく」とする佐渡会議アピールを採択し、第2部は終了。このアピールには、粟島浦村と長崎県壱岐市を加えた7市町村長による自筆署名がされ、閉会前に会場全員に配られた。
午後の全体討議では、首長からの意見をふまえて、環境省、国土交通省、水産庁からそれぞれの施策が説明されたが、午前中不在だった担当者が説明する場面があり、例えば漂着ごみの補助金申請の手間を嘆く話題が出たのに対し、その補助金制度を自賛するような話になってしまうなど、討議としてはかみ合わない一面もあった。
北は羅臼、南は八重山など全国各地の現状報告、北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)と韓国海洋救助団(KMRC)の発表があったほか、地元、内海府(うちかいふ)中学校の生徒さんによるクリーンアップの取り組み紹介もあり、漂着ごみの当事者が多様であることが改めて印象付けられた。
討議のまとめでは、中学生による発表を受け「海と心をキレイにするのが発生抑制につながる」という話も出た。そして会議参加者有志の名で「佐渡宣言」が公表され、閉会となった。
7月20日には海洋基本法が施行されるが、同法第3章には「離島の保全等」が盛り込まれる。海洋担当大臣も任命された折り、海洋漂着ごみの取り組みも国レベルで加速することが期待される。今回の会議は絶好のタイミングで開催されたと言える訳だが、会議参加者が当事者意識をさらに深め、会議の成果を具体的行動に結び付けることが不可欠だ。それが国の動きのさらなる後押しになると念じたい。
(参考URL)
・JEAN/クリーンアップ全国事務局
http://jean.jp/
・海洋基本法で自然海岸は保全されるのか?
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J07051802J
・知床岬クリーン作戦と「知床・らうす会議」(前)
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06071401J
・知床岬クリーン作戦と「知床・らうす会議」(後)
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06071402J
筆者:
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右から、中村副市長(酒田)、松村市長(対馬)、松田町長(隠岐の島)、木田市長(鳥羽)、高野市長(佐渡)

夫婦岩付近でのクリーンアップ

「全国豊かな海づくり大会」マスコット「まもりん」と夫婦岩(頭に佐渡島が乗っているのが目印)
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