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東京で「環境被害救済と予防に関する日中韓国際ワークショップ」が開催された。
8月24日と25日、東京・霞が関の弁護士会館で「環境被害救済と予防に関する日中韓国際ワークショップ」が開催された。韓国からはNGO関係の弁護士など専門家10人、中国からは専門家のほか被害者も含め16人が招待代表者として参加、日本側参加者その他合計100人あまりが、まる2日間、言葉の壁を越えて熱心な議論を交わした。
議題はかなり多岐にわたった。まず、ワークショップ名にもある、環境被害状況とその救済・予防についての各国の状況や課題が総論的に示された。さらに中国・淮河流域の汚染状況や日本・韓国でのアスベストをめぐる状況など各論に踏み込み、環境被害の発掘や救済における医学者の役割の重要性なども確認された。また、環境公益訴訟について、各国の関連事例が紹介された後、世界的に見たとき日中韓3カ国はこの面で等しく遅れており、課題となっているという指摘がなされた。これまでの交流を踏まえつつ今後のネットワークの発展を展望しようという議論の場では、何よりも被害者の声に耳を傾けることの重要性が強調された。
一方で、問題提起がなされながら消化不良に終わった論点もあった。中国ではアスベスト問題はなお基本的に労災としか認識されていないというから、この環境被害を論ずる場で取り上げられた意味がどこまで中国側の理解を得られたかは不明である。また、日本の環境被害救済で経済学者や社会学者など社会科学者が果たしてきた役割の一端について紹介があった。しかし、 これについても議論は深まらなかった。限られた時間に多くの論点が盛り込まれた以上、やむをえないのかもしれない。
ワークショップ後のエクスカーションでは、中韓からの招待参加者が中心になり、栃木県の足尾などを視察した。足尾は19世紀末、近代日本で最初の公害(鉱毒)事件が発生したことが知られている。 足尾の公害は戦前に問題化しただけでなく、戦後も問題になることがあった。「足尾の地元住民は多くが原因企業と関係する仕事をしていたため、公害企業に反対の声を上げることができなかった」という日本側の説明に、中国側参加者たちは異口同音に「中国と同じだ」と感嘆の声を上げた。
今回の日中韓のワークショップは、日本と中国の間では3回、日本と韓国の間では2回、それぞれに今世紀に入ってから同様の趣旨の会議を積み重ね、その蓄積を踏まえて開かれた。この枠組みで3国が対等な立場になる形で本格的な会議を開いたのは初めてで、特に韓国側参加者の多くは初めて聞く中国の事情に興味津々であった。
日中韓のネットワークのあり方について、恒常的な3国の環境面での交流ではこのENVIROASIAのネットワークに一日の長がある。そのことから、東アジア環境情報発伝所の代表、廣瀬稔也氏もパネリストとして、ネットワークには柔軟さが必要との旨を発言し、共感を呼んだ。関係者も、次回の開催について、再び3カ国で開くことの有意義さは認めながらも、次回はとりあえず日中など2カ国でも良い、といった柔軟な態度を見せている。ほかに、被害者をはじめ法律の専門家ではない関係者も多数いるなか、過度に法技術論に特化しないでほしいという要望もある。こうした点も含めて、今後もこの交流をまさに「柔軟に」継続・発展させていく必要があろう。
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緑が回復しはじめた足尾・松木谷で説明を聞く

WSの様子

ネットワークのあり方について熱弁をふるう寺西俊一・一橋大教授(手前)
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