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ごみ・リサイクル 家電リサイクル法制度見直しの素案まとまる

日本全土 家電リサイクル法制度の見直しの審議会が1年半の議論で出す結論の方向は…

 2007年10月30日に、家電リサイクル法改正について議論する第15回の審議会が東京で開催され、最終報告の素案が示された。

 2001年の家電リサイクル法施行後、初めてとなった今回の制度の見直しでは、年間推定排出量の約半数にあたる1100万台の家電が行方不明となっている、いわゆる「見えないフロー」の実態把握に基づく対策づくりと、現行の排出時にリサイクル・運搬費用を支払う「後払い方式」から、購入時にリサイクル費用などを支払う「前払い方式」へと大きく変更するかどうかが大きな焦点となっていた。

 自治体は、増加した不法投棄廃家電の回収費用や対策にかかる費用が増大するため、「前払い方式」への変更を強く求めていたが、メーカーなどからは、現行制度で引き取り台数が増加するといった成果をあげつつあること、既販品への対応や将来排出時のリサイクル費用の対応が困難であることから現行の「後払い方式」の維持が主張され、後者の意見が通った形となった。

 現在、「前払い方式」のパソコンの回収率が高いわけではないことから、単に「前払い方式」に変更するだけでは不十分とはいえ、回収率を高めるためのデポジット実施や価格内部化への一歩につながる「前払い方式」への変更が見送られることは残念である。代わりに、自治体の不法投棄対策費用の一部をメーカーなどが資金を拠出して協力する新しい枠組みが創設される見込み。

 「見えないフロー」に流れている約半数の廃家電を正規ルートに戻す対策としては、リサイクル料金を受け取りながら引渡さないという悪質な事例もあることから、小売業者の引取り・引渡しに関するチェック体制が強化される。また、小売業者が引き取った家電をリユースに出す場合(注1)、本当にリユースとして使われるようにリサイクル品・リユース品を適切に仕分けるためのガイドラインがつくられる予定だ。

 大手家電量販店のビックカメラが首都圏で始めた独自ガイドラインによる仕分けで、リユースにまわる家電は1%程度ときわめて低いことから、ガイドラインがきちんと機能すれば、現在、小売店が回収してメーカーに戻らない全排出量の25%のかなりの部分が、正規ルートに戻ると考えられる。ここの流れがしっかり機能するかは、しっかりとウォッチしていく必要がある。

 また、海外でのE-waste問題につながる、廃家電が中古品として偽装輸出されないようバーゼル法での中古利用の基準の明確化や水際対策の強化などがうたわれた。このこと事態は歓迎すべき内容だが、現在もあの手、この手で法の目をかいくぐって廃家電が海外に流れている状況を考えると、港へ着く前の段階で、より多くの廃家電が正規ルートに戻る対策こそが重要だ。

 この他、回収の効率化とリサイクル料金の引き下げ、衣類乾燥機と液晶・プラズマテレビの品目追加、リサイクル費用などの情報公開などが主な改正の内容だ。

 しかし、リサイクル料金の価格内部化、デポジットの導入、小売店に引き取り義務のない廃家電(注2)の自治体による回収、対商品目の大幅な増加などを掲げた、市民団体が求める内容とはまだまだ大きな隔たりのある最終報告素案である。

 審議会では、今回の改正結果を見て、次回の5年後の見直しでは、さらなる追加の対策をという論調のようだが、日本から出される廃家電が、日々、中国などでの健康被害や環境汚染を起こしている現実を考えると、そんなに悠長なことは言っていられない。まだ素案がまとまっただけの段階だ。今後のパブリックコメントや国会での審議でも、より多くの声を届けたいと思っている。

(注1)小売業者が引き取った家電をリユースに出す場合、メーカーへの引渡し義務がない。
(注2)買い替えでなく、単に廃棄の場合、購入店舗がわからないもしくは存在しない場合は、小売業者に引き取り義務はない。

(関連ニュース)
・家電リサイクル法改正に市民団体が意見書を提出(2007-10-05)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J07100501J

・家電リサイクル法の改正を考える市民フォーラム開催(2006-12-08)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06120802J

・家電リサイクル法改正論議がスタート(2006-06-30)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06063003J


リサイクル工場へ戻る家電は増加するか?




記事執筆、翻訳
日付 2007-11-02
筆者 廣瀬 稔也 (HIROSE, Toshiya)
媒体 寄稿
団体名 東アジア環境情報発伝所
(East Asia Environmental Information Express Messenger)
URL http://www.eden-j.org/
翻訳者

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