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依然として子どものぜんそくが増え続けている…。
■増え続ける子どものぜんそく
中学生になる長男が気管支ぜんそくで初めて入院したのは、2歳の春だった。小さな肩を上下させ、ヒューヒューとのどを鳴らして呼吸をするわが子を抱きしめ、「替われるものなら替わってやりたい」と思った。その後何回かの入院を経験したが、近年発展著しいぜんそく治療のおかげで、最近ではほとんど発作が出なくなった。
そのぜんそくが増え続けている。
図1は、大阪市の子どものぜんそく被患率の推移、図2は全国、大阪府と比較した大阪市の子どものぜんそく被患率である。いずれも文部科学省が発表している学校保健統計によるもので、大阪市の数字が高い。
大阪から公害をなくす会・交通問題研究会編著の『自動車公害根絶、安全・バリアフリーの交通を目指して』(自治研究社刊)によると、「大阪市の子どものぜん息発症状況は明らかに変わってきており、成長しても治りにくい、あるいは高学年になってからでも発症する傾向が強まっている」と指摘している。成長とともによくなると言われてきた子どもの気管支ぜんそくが、変化を見せているのだろうか。ぜんそく児を抱える親として不安がつきまとう。
大都市で高い傾向にあるぜんそく被患率は、国が環境基準を定めているNO2(二酸化窒素)とSPM(浮遊粒子状物質)による汚染と相関しているとの指摘もある。(『つくろういのちと環境優先の社会 市民の環境安全白書 大阪発』(自治研究社刊)
■ 3倍に緩和されたNO2環境基準
NO2の環境基準は1978年にこれまでの0.02PPMが、公害患者らの反対を押し切って3倍(0.04~0.06PPMのゾーン内)にも緩和され、前の基準では環境基準を満たしていなかったものが一夜にして基準を満たすという離れ業をやってのけた。規準緩和の背景には、本州四国連絡架橋や高速道路網の建設をはじめとする公共事業に群がる財界と政治家たちの強い要求があったという。そして、財界・政府の「公害はなくなった。もう公害病は発生しない」とのキャンペーンが始まった。環境基準緩和は、終わったのではなく、政府・財界によって「強制終了」させられたのである。
NO2の環境基準を大幅に緩和したにもかかわらず環境基準は達成されない状況が続いた。2000年に改正された自動車NOx・PM法などの施行で、ようやく低下の傾向を示しはじめてはいるものの、国道43号をはじめとした道路沿道の局地汚染は改善されていない。
■大気はつながっている
大阪市内には一般環境大気測定局15局と自動車排出ガス測定局11局がある。環境基準が定められているNO2、SPM、SO2(二酸化硫黄)、CO(一酸化炭素)、Ox(光化学オキシダント)を24時間測定している。環境基準の達成状況をみると、2006年度では、NO2で自動車排出ガス測定局11局中8局、SPMは同9局中8局、Oxでは一般環境大気測定局13局中0となっている。Oxの全局不適合が気にかかる。
2007年5月、光化学スモッグは北九州市で小学校の運動会を次々に中止させた。原因は中国大陸で発生した大気汚染だ。偏西風に乗って黄砂とともに北九州に到着して光化学反応を起こしたらしい。大気は日本海を隔てて中国大陸とつながっている。地球規模で移動する大気汚染問題の解決はまさに「待ったなし」の課題となっている。
子どもたちのために「手渡したいのは青い空」をアジアの共通語にしなければならない。
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図1:大阪市のぜんそく被患率

図2:子どものぜんそく被患率
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