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環境政策 「エコ・ファースト」始まる

日本全土 環境省の新制度「エコ・ファースト」は業界のトップランナー企業を応援する試み。環境への取り組みを日本全体で底上げするのがねらいだが。

 企業が環境大臣に対し、京都議定書の目標達成に向けた地球温暖化対策など、自らの環境保全に関する取り組みを約束する「エコ・ファースト制度」が環境省の単独事業として今年4月からスタートした。

 個々の商品やサービスに対してのお墨付きでは、その認定や経過チェックなどに手間がかかる上、不義不正があった場合のダメージは大きい。そこで企業の環境への取り組みそのものを評価するための制度が生まれるに至った、と考えることができる。再生紙や再生プラスチックで偽装が発覚し、環境省が中心になって進めてきた「グリーン購入」に逆風が吹いたことを受けての、正に環境政策の再生策ともとれる取り組みと言えなくもない。

 エコ・ファースト制度は、企業側がまずその制度を自社で創設する必要がある。その前提として、(1)京都議定書の目標達成に向けた地球温暖化対策などの目標を掲げるとともに、その目標や取り組みに業界のトップランナーとしての先進性、独自性を持たせる、(2)全国の模範となる環境保全に向けた取り組みを行う、(3)約束した取り組みの推進状況の確認を行う仕組みを設け環境省への報告か公表を行う、この3つを約束する。

 環境大臣に対して、この「約束」を行うことでその企業に対して「エコ・ファースト・マーク」の使用を認める、というのがその主旨。認められた企業は、店頭や広報紙上などでそのマークを用いることが可能になり、先進性をアピールすることができる。逆に、約束に違反した場合は、マークの使用が取り消され、マイナスイメージのもととなるため、自覚と責任が伴うことになる。

 制度の第1号として、株式会社ビックカメラ(本社 東京都豊島区)から「エコ・ファーストの約束」が提案され、その「約束式」が4月16日(水)に行われた。同社はこの記事《http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J07072702J》にもあるように、業界(量販店)ではもともと先駆的だが、今回は特にレジ袋の削減や梱包材の徹底したリサイクル等について約束している。すでに店頭、チラシ、TVコマーシャルでは、「洞爺湖サミット応援」のフレーズとともに、省エネ製品への買い替えを促す「エコ・ファースト ポイントキャンペーン」(省エネ性能に応じてポイントを加算)を実施。マークを最大限活用している。

 第2号は大手スーパーのユニー株式会社(本店 愛知県稲沢市)。約束式は4月21日に行われた。同社は、食品廃棄物の発生抑制(発生原単位を用いた削減目標を業界に先駆けて導入)や自社で排出される食品廃棄物の「リサイクルループ」の構築等に取り組むことを約束した。

 環境活動のトップランナーと目される企業の自主的な取り組みを後押しするものとしては「環境保全に向けた取組に関する協定」(モスフードサービス(ファストフード)、ローソン(コンビニエンスストア)の2社)、「循環型社会の構築に向けた取組に関する協定」(イオン(チェーンストア)の1社)といったものがすでにあるため、今回のエコ・ファースト制度と混同しそうだが、原則として業界ごとに1社ずつを選ぶ点が異なると言えば異なる。

 業界により取り組みに温度差があるところを、一点突破的に各業界から1社、という選び方はある意味、斬新ではある。今後、計100社を目標に選んでいく方針とのことだが、第1号の約束から1カ月以上が経過するも、その後、第3号・4号の話は聞かない。

 足並みを揃えたがる業界においては、業界秩序のようなものが優先され、取り組みが進まなくなることも考えられる。また、一社が取得してしまうことで、他の企業はむしろ取り組まなくなる懸念もある。逆に競争の激しい業界では、約束取り付けの一番手を目指すために、無理を押したり、拙速な取り組みを進める可能性も出てくるだろう。

 環境ラベルの氾濫についてはこれまでも多々指摘があったが、そんな中で今回またしても新たなマークが誕生したことになる。今後、他の省庁が似たような制度を始めたり、業界独自のマーク制定の動きが出てきたり、ということも考えられなくもないが、ラベルやマークはあくまで目安。後世に伝えたいと思う、より良い商品やサービスを自らの感性と鑑識眼で選択するのが賢い消費者の基本であることは今も昔も変わらない。

 なお、環境省が情報提供する「環境ラベル等データベース」《http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/f01.html》を見ると、いかにいろいろな標示が存在するかがわかると思うが、あいにくと「エコ・ファースト」のマークはまだ掲載されていない。

参考URL)

・エコ・ファースト制度について(環境省)
 http://www.env.go.jp/guide/info/eco-first/

・ビックカメラ 「エコ・ファースト」の約束
 http://www.biccamera.co.jp/shopguide/report/eco_first/index.html

・ユニー 「エコ・ファースト」の約束
 http://www.uny.co.jp/corporate/torikumi/eco/event/ecofirst.htm


これがビックカメラの約束書き

「洞爺湖サミット応援」は、エレベーター扉を大々的に使ってアピール


記事執筆、翻訳
日付 2008-05-23
筆者 冨田行一 (TOMITA,Koichi)
媒体 寄稿
団体名 東アジア環境情報発伝所
URL
翻訳者

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