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生活環境 中国政法大学汚染被害者法律援助センターが日経アジア賞を受賞

東京 アジアの人びとの生活を豊かにするうえで功績があったとして、中国政法大学汚染被害者法律援助センターが第13回日経アジア賞を受賞した。

 中国政法大学汚染被害者法律援助センターは、中国で多発する公害による被害者の法律相談や訴訟支援を通して、環境法の順守や環境意識の向上を図る団体だ。このたび、1998年から続けてきた活動が評価され、第13回「日経アジア賞」を受賞した。

 日経アジア賞は、アジアの人びとの生活を豊かにするうえで功績のあった人や団体に贈られる。5月21日、都内で同賞の表彰式が行われた。審査委員長を務める日本経団連名誉会長の豊田章一郎氏は、同センターの受賞の理由を「年間数百件にも及ぶ電話相談を通じて、間接的に社会の安定にも寄与している。黄砂や温暖化など、国境をまたいで発生する環境問題に対して、国際的な責任を果たそうとする姿勢は素晴らしい」と評価した。

 同センター代表の王燦発氏は「大学の一教授としてボランティアを集め、公害被害者の権益のために働いてきただけなのに、今回このような素晴らしい賞を受賞し、感激でいっぱい」と喜びの言葉を述べた。王氏のスピーチによると、同センターの活動は中国の環境法の制定にも影響を及ぼし、昨今では、行政の違法企業に対する取り締まりも厳しくなっているという。被害者利益への配慮がなされるようになってきたことを、肌で感じているそうだ。

 筆者が2004年に北京の同センターを訪れたとき、王氏は「センターを立ち上げたことで多くの相談を受けるようになり、そのいくつかは訴訟問題にまで発展してモデルケースとなっているが、まだまだ数は少ない」と説明してくださった。その後、多くの支援者とともにさらなる熱意をもって活動を継続したことが、今回の受賞へと結実したのであろう。これまでの努力にあらためて敬意を表したい。

 だが一方で、中国国内での環境はむしろ悪化している。王氏もそれは認識している。「一連の環境法を制定してきたにもかかわらず、環境は悪くなっています。法の執行が不十分だったかもしれません。これからは、法の執行を促す努力がいっそう必要だと思います」と今後の課題を述べた。

 折しも中国社会は現在、四川大地震の被害と向き合っている。王氏は副賞の300万円を被災者のために寄付するそうだ。今後は災害による補償問題に関しても、相談が多数あるかもしれない。いっそうのご活躍を祈念している。

 第13回の日経アジア賞は、中国政法大学汚染被害者法律援助センターのほかに、インドの科学者C.N.R.ラオ氏と、韓国の俳優 安聖基(アン・ソンギ)氏に贈られた。


中国政法大学汚染被害者法律援助センターで電話相談を受け付ける王氏(2004年筆者撮影)

表彰式での王氏(中央)


記事執筆、翻訳
日付 2008-05-23
筆者 山本千晶 (YAMAMOTO,Chiaki)
媒体 寄稿
団体名 東アジア環境情報発伝所
URL
翻訳者

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