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新潟会議の第二部「東アジアの水汚染解決に向けて」他を紹介する。
会議2日目の午前中は、中国・韓国からのゲストを対象としたフィールドトリップとして、関係者一行で「環境と人間のふれあい館」(新潟水俣病資料館併設)の見学に向かった。
同館のある場所は、阿賀野川流域に当たるが、被害発生地からは距離があるため、資料館は別の場所(より川の近く)に、との要望もあったと聞く。新潟市内に複数ある「潟」の一つ、福島潟の畔は、環境と人間のふれあいを考える上では好立地だが、被害者感情を考えると適地ではないようだ。それでも、この資料館は患者、加害企業、県の三者の協力により建てられたという点で意義深い。安田患者の会の旗野事務局長曰く「運動の成果の象徴」なのである。
記録映像の上映の後、会議初日、開会挨拶に立った安田患者の会 権瓶晴雄(ごんぺい・はるお)代表による「語り部」としての時間が設けられる。新潟水俣病を語る上で、当時の漁法や生業の話は欠かせない。あえてそのままの言葉を使うため、中国語、韓国語には訳しにくくなるが、この訳しにくさに意味がある。自然とともに生きてきた人々が使う言葉とはそういうものであり、そのように自然との共生が深い人たちだからこそ、反自然的な作用(水汚染)の犠牲になった、ということが言えるのだ。魚を食べるのはごく日常だったこと、しびれやめまいなど様々な症状が現われたため水俣病が疑われ、人の勧めで健診を受けたこと、大学病院での健診は冷遇の極みだったこと、健診を受けたことは家族にも明かせなかったことなど、その苦渋があるがままの言葉で語られた。
そして午後を迎え、一行は朱鷺メッセへ。会議の第二部「東アジアの水汚染解決に向けて」に移る。前日に続く報告として、アジアと水俣を結ぶ会 谷洋一事務局長より、「日本の市民が水汚染問題に果たした役割」の題で、日本における公害の略史、会のこれまでの取り組みなどが話された。今後、公害を再発させないようにするには、地域の問題を現場でしっかり押さえ、氷山の一角の下、つまり常に全体像を明らかにしていく必要があるとした。そして、これこそが市民の役目であることが強調された。
韓国からの報告は、韓国環境運動連合(KFEM)水・河川センター 李喆宰氏による「韓半島大運河白紙化」。水汚染の事例ではないが、運河の造成工事によって莫大な環境破壊がもたらされることが予想されるため、その白紙化こそが最大の予防策であると訴えられた。現時点では工事の動きは止まっているが、一部推進派が動き出しており、警戒を強めていると言う。
休憩を挟み、15時過ぎからは、今回のテーマを集約するための宣言文の討議が行われた。鳥取環境大学の相川泰准教授により、文案が読み上げられた後、会場からは次々と声が上がり、宣言が練られていく。
被害者の声をより強く/内部告発を促すことで再発防止を図る/情報公開を進めることが重要/豊かさの追求が公害を招くことを明記、といった意見が出され、中韓両国のゲストからも、特に具体的な行動を伴わせる旨、提案が相次いだ。何らかの被害を実体験している現場型NGOならではとも言える発言だが、被害が進行形だからこそ伝わる切迫感がある。今回のテーマの一つに、その切実さを共有すること、が挙げられるなら、その意味においても成功と言えるだろう。
議論は文案の修正レベルから、より実質的な意見交換へと移っていく。同様の水汚染が後を絶たないのは「見えなくなる」ことが原因ではないか、実態が見えない以上、常に耳を傾け、向き合うことが大切ではないか、そのために必要なのは被害者を支えるネットワークであり、それが3カ国で形成されることが重要ではないか……。
そして、閉会前に旗野事務局長が語った次の言葉が一つの宣言となる。「豊かに生きるというのはどういうことか、をともに考える。そして、熊本と新潟のこどもたちの交流に中国を加えるなど、次世代のネットワークを」
議論と経験共有が深まり、新潟宣言は、下記の内容での趣旨採択となった。
1. 公害・環境汚染のこれ以上の再発の防止と、既に起きた被害の解消・救済
2. 中国の水汚染克服に向けた取り組みへの協力
3. 企業に対する、安全や環境の面での問題の有無を判断するための情報公開の要求
4. 新潟水俣病の経験に学び続けていくこと
5. 公害・環境汚染の被害者と救済支援者の経験を受け継いでいくこと
今回の討議を踏まえ、宣言文を引き続きまとめることを確認し、会議は無事閉会した。2日間の会議の成果は、その宣言文の発表(ホームページ、メールマガジン等)に合わせて、改めてご紹介する予定である。
(阿賀から東アジアへ(3) http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J08102403J に続く)
参考URL)
県立 環境と人間のふれあい館 http://www.fureaikan.net/
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魚や漁法について身振りを交えて話をする権瓶さん

権瓶さんの話に聞き入る各国参加者ら

満場の拍手をもって宣言文の趣旨採択がされた
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