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2008年10月11・12日に開催した「第4回 東アジア環境市民会議」。会議での議論と今後の方向性を新潟宣言としてまとめた。(以下、宣言本文)
東アジア環境市民会議は、2000年から形成されてきた日本・中国・韓国の環境NGO間で情報を共有するためのネットワークによって、2002年に日本(東京)で開催されて以来、これまで隔年で韓国(ソウル)・中国(西安)で各1回、合計3回、開かれた。この間、各国の環境概況から具体的な問題へと議論も深まり、ネットワークも発展してきた。
このたび、日本そして世界で第2の水俣病が発生した新潟の地にて、2008年10月11日と12日、私たちは第4回東アジア環境市民会議に集った。過去3回の成果、特に第3回のテーマ「水と健康」を受け継ぎ、「東アジアの水汚染と健康~新潟水俣病の経験に学ぶ~」をテーマに掲げ、2日間にわたる議論の結果、以下の問題について共通の認識を持つに至った。
1.日本の公害被害者が40年以上前から訴えてきた「悲惨な公害を繰り返して欲しくない」という願いは、残念ながら、韓国でも、中国でも、日本ですら十分には叶わなかった。私たちは改めて今ここに「これ以上、悲惨な環境汚染の被害発生を繰り返してはならない」と訴えるとともに、既に起きている環境汚染の被害の一刻も早い解消と、被害実態の徹底的な解明、被害の完全な救済を切に願う。
2.かつて日本や韓国が苦しんだ深刻な水汚染が、現在、中国でも繰り返されている。経済活動のグローバル化により、中国の水汚染の原因はさらに複雑になり、影響する範囲もより広いものになって、被害者の声も聞こえにくく、被害の実態も見えづらくなっている。日本や韓国には、単に先に水汚染に苦しんだ経験があるだけではなく、既に中国で水汚染の原因として指弾を受けている有名企業が複数存在するなど、直接・間接に中国で環境汚染を引き起こしている原因も存在する。こうした現状と、「環境問題の被害は政策決定や権力から最も遠いところで起こる」「環境問題に国境はない」との認識の下、各国の被害者に向き合い、その声に耳を傾け、被害実態を把握し、それに対する対策、制度など関係する諸情報の収集、交換、共有を促進し、直接的な行動につなげていく。特に日本と韓国からの参加者は、中国の人々による水汚染克服と被害実態解明、被害者救済に向けた取り組みに、積極的な協力を約束する。
3.現在の国際的に複雑に入り組んだ経済関係は、消費者がある商品を手に取ったときに、それが安全や環境の面で問題があるかどうか、一見してわかるようにはなっていない。そのことが、中国の水汚染やその他の環境破壊を促す一因にもなっている。また、一部の企業が、人々の安全な生活を脅かし、環境その他の面での判断を誤らせるような、数々の偽装事件を起こしてきたことを深く憂慮する。企業に、安全と環境に万全の配慮をし、環境汚染その他、安全や環境を脅かす行為があるなら即刻それを停止するとともに、安全と環境の面での問題の有無を消費者が判断するのに必要な、正確で簡潔明瞭な情報の公開を求める。また、こうした問題を知る企業・行政関係者による積極的な内部告発を歓迎し、こうした内部告発は奨励こそされ、抑圧されるべきでないことを確認する。これらにつき、政府・自治体にも相応の制度整備を求める。
4.新潟水俣病は、決して単なる健康破壊や裁判事件にとどまらず、地域社会や被害関係者に各種の損害をもたらした。それとともに、映画『阿賀に生きる』をはじめ、各種の文化運動とその成果物をも生み出した。公害・環境汚染は防ぐことができれば最も良いが、起きてしまった被害には正面から向き合う必要がある。特に新潟の一部関係者につき、長年にわたって被害者が、支援者の支えも得ながら根気強く差別や偏見を乗り越えてきたすえ、被害と賢く、また時に楽しく付き合ってきた知恵に、私たちは学び続けたい。
5.日中韓の各地で発生した公害・環境汚染の被害者と、救済支援者の経験は全て、かけがえのない貴重なものである。各国で過ちを繰り返さないためにも、よりよい被害者救済を実現していくためにも、各国の若い世代が積極的に経験を受け継いでいくことが必要である。
以上の課題に対する問題認識は、私たち日中韓の環境問題に関心を寄せる市民がネットワークを形成するなかで、次第に共有し深めてきたものである。今後も、この国境と世代を越えた交流・相互理解・信頼・協力のネットワークを深化させ、拡大し、強化していくべきである。私たちは汚染がなく、快適で調和のとれた環境共同体を創っていくため、共同の努力を続けていく。
2008年10月12日
第4回 東アジア環境市民会議 参加者一同
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第4回 東アジア環境市民会議 参加者一同

この日は趣旨採択にとどめ、宣言文の確定は後日となった
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