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3月11日、環境省主催の公開セミナーで、アジア各国の行政担当者が様々な分野から3R推進の課題などを共有した。
2008年5月神戸で開催されたG8環境大臣会合で「神戸3R行動計画」が合意され、日本政府は「新・ゴミゼロ国際行動計画」が発表された。ここには、「各国のニーズに応じた廃棄物の適正処理と3Rの統合的推進を支援」すること、「国連環境計画(UNEP)持続可能な資源管理に関する国際パネル*1」の活動の進捗と成果をアジアに普及することが盛り込まれている。
それを踏まえて、2009年3月11日(水)、三田共用会議所(東京)で環境省、国連環境計画(UNEP)、アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)*2 共同主催の公開セミナーが開かれた。韓国やタイなどアジア各国の参加者より、資源管理の必要性や3R推進に向けての取り組みなどが発表された。
最初の基調講演では、川口順子APFED議長(元 外務大臣/環境大臣)より持続可能なアジアのために、日本には何ができるかについて語られた。日本の企業はハイブリッドなど優れた環境技術を持つ。これを国際提供するための制度と、地域に見合った技術提供の必要性を語った。
次の「アジアの経済成長と持続可能な資源管理」セッションでは、持続可能な資源管理や3Rに関するUNEPの活動やAPFEDのショーケースプログラムなどが紹介された。現在の廃棄型社会から循環型社会へ転換するには、企業、政府及び消費者を含む市民グループ共同の努力が不可欠である。企業としては生産過程や商品・サービスを通じて、政府としては政策などで企業を支援すること、また消費者や市民グループは企業や政府に対して意見・問題の反映や解決を要求することで、より良い政策を促進することができると、UNEP持続可能な資源管理に関する国際パネル事務局長 バス・デ・リュー氏(Bas de Leeuw)は語った。また、商品の背景をもっと知ることで消費者の意識を高め、企業の社会的責任にもつなげるべきだとう見解を示した。
また「金属リサイクルと持続可能なアジア」というテーマで発表を行った、国立環境研究所の森口祐一氏は、3Rを通じた循環型社会への変換にはグローバルな金属の流れを多方面から分析し、未成熟のリサイクル過程やスクラップ量の限界などのマイナス要素などを考慮しつつ、環境にやさしい、CO2排出削減などに貢献できる新しい政策が必要だと語った。リサイクルにも限界があるが、まずは少ない資源を使い回すこと、また地上にある資源を有効に活用することが肝心だ。
次の「アジアにおける3Rの戦略的な推進」セッションでは、アジアにおける3R国家戦略や途上国の視点から見る3Rなどについて発表が行われた。
UNCRD所長である小野川和延氏は、「発展するアジアにおける3R国家戦略の進展」というテーマで、地域のニーズを把握して、その国や地域を主体とする実施的なプログラムを行うことが、3R概念の普及・浸透につながり、地域問題の解決にもつながると語った。
最後に、途上国の視点からの3R実施のインセンティブとコベネフィット(co-benefits)について、タイ環境研究所副所長のクワンルディー・チョーティチャナタウィウォン(Qwanruedee Chorichanathawewong)氏の発表があった。タイでは、リサイクル率が低く、コベネフィット概念を導入し、廃棄物管理と貧困対策や産業利益などを同時に実現することを提案した。具体的には、インフォーマルでごみ拾いを行う人々に対して、登録制度を導入し、廃棄物管理をすると共に個人収入の増加につなげるというものだ。
いずれの報告者も、その国や地域に合わせた3R政策を進めることが重要であるというのが、一致した意見だった。2009年の夏ごろには、3R関連事業形成や政策を促進するため、政府機関、ドナー、民間セクターなどが参加する「第1回アジア3R推進フォーラム」が開かれるという。セミナーで共有された情報や課題を活かして、それぞれの地域に応じた、実施可能性の高いプログラムなどが議論されることを期待したい。
*1:UNEP持続可能な資源管理に関する国際パネル
地球規模での経済活動の拡大に伴い、国際社会の大きな課題となっている天然資源の持続可能な利用の確保に向けて、科学的な知見の確保を図るため、2007年にUNEPが世界の著名科学者等約20名をメンバーとして設立された。資源(再生可能資源、非再生可能資源の双方)の消費によるライフサイクル全般にわたる環境影響について独立した科学的知見を提供するとともに環境影響を低減するための方策の理解を促進することにより資源効率の高い経済成長が世界的に促進され、持続可能なイノベーションを促し、経済成長と環境悪化を切り離す政策目標に貢献することを目指している。
*2:アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)
アジア太平洋地域が直面している重要な課題を討議し、より衡平で持続可能な発展のモデルを提示することを目的に2001年に設立された有識者会合。アジア太平洋地域の国々及び国際機関から推薦を受けた有識者から構成され、財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)を事務局として、3Rなどのアジアの環境に関わる様々な政策提案の提示などを行っている。
http://www.apfed.net/
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