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気候変動 地球温暖化対策に「スーパー堤防」?

東京 やまちゃんの「東京のはじっこからエコをさけぶ!」(その2)

 東京都江戸川区は今年5月、「気候変動に適応するための治水対策」(中間とりまとめ)を発表した。地球温暖化が進んだ場合の洪水や高潮による浸水から区内を守るため、従来の堤防よりも大きな幅数百メートルにおよぶ「スーパー堤防」を建設しようというものだ。

 中間とりまとめは、海水面より低いゼロメートル地帯である江戸川区について、地球温暖化の影響で上昇した海水面に高潮や台風が重なることで、浸水・洪水をもたらす危険があると指摘している。そして比較的高い土地が離れているため、洪水・高潮対策と避難地の確保のために「スーパー堤防」を建設し、平時においては水辺に親しめる空間づくりと相まった沿川まちづくりを提起している。

 もし、区内すべてにスーパー堤防を建設した場合、総事業費が2兆7千億円、建設にともなう一時的な住民移転は数万人に及ぶとされる。

 だがそもそも、スーパー堤防は、地球温暖化の結果として発生する浸水・洪水への備えとして建設されるものであり、対症療法に過ぎない。昨年、江戸川区は「エコタウン江戸川推進計画」という地域エネルギービジョンを策定している。対症療法であっても、この計画目標達成に向けた地球温暖化対策の展開を待たずに打つのが筋ではないだろうか。

 また、目的の1つとして「避難地の確保」とあるが、江戸川区には、30万世帯67万もの人々が住んでいる。スーパー堤防の収容可能人数は限られているため、避難地の確保とは到底言い難いのではないか。

 避難地を増やすなら、まずは区内に網の目のごとく災害対策拠点を整備してはどうか。例えば、一定程度の高さを持つマンションを活用し、非常用食料や備品、ボートなどを備え付けるなど拠点として組織化したり、区民に対しては、ある程度被害を受けることを知らしめたうえで、浸水・洪水が発生してもパニックにならず行動できる啓発事業を行ったりすべきだ。

 地球温暖化の結果起きる浸水・洪水に備えるスーパー堤防の建設と、地球温暖化対策を目的とするエコタウンえどがわ推進計画の策定とは、政策が矛盾している。まずは、治水対策について、再検討するための委員会を設けるべきだ。中間とりまとめの委員には入っていなかった、地球温暖化問題に関わる専門家や区内で活動する環境NPO、地域住民も入れて。政策が矛盾しなければ、納税者である区民も納得するだろう。


スーパー堤防建設予定地




記事執筆、翻訳
日付 2009-07-17
筆者 山﨑求博 (YAMAZAKI, Motohiro)
媒体 寄稿
団体名 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ
URL http://www.sokuon-net.org/
翻訳者

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