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気候変動 民主党政権-温暖化対策における危うさと可能性

日本全土 8月30日に行われた第45回衆議院総選挙は、野党民主党が308議席を獲得し大勝した。政権交代を控え、政策の実現可能性に注目が集まる。

 民主党の鳩山由紀夫代表は9月7日、日本の温室効果ガス削減目標を、1990年比で25%削減とする考えを明らかにした。地球温暖化対策では、民主党は政府よりも高い温室効果ガス削減目標をかかげているが、政策実現の可能性はどれほどだろうか。

 今回の総選挙にあたり、化石燃料・原発依存からの脱却と、再生可能エネルギーの普及拡大、排出権取引や炭素税の導入を求める環境NPOや市民らが作った「MAKE the RULEキャンペーン」では、立候補者に対するアンケートを実施した。質問は次の5問だ。

(1) 政府のかかげる削減目標(2020年までに1990年比8%)についてどう考えているか。
(2) 排出権取引や炭素税の導入についてどう考えているか。
(3) 温暖化対策として原発を推進することについてどう考えているか。
(4) 再生可能エネルギーの普及策についてどう考えているか。
(5) 温暖化対策が公約の中で上位にあるか。

 民主党308議席のうち、回答があったのは149名で、回答率は50%近く。また、当選回数別では初当選が80名と過半数を占めている。そこで、先の質問のうち(1)~(4)について回答状況を簡単に分析してみたところ、その公約実現には乗り越えなければならないいくつかのポイントがあることが分かった。

 (1)では「低すぎる」と考える当選者が85%と大多数を占めるが、中には、この目標すら高すぎると考える議員もいた。その代表格は、高木義明氏(長崎1区)。鉄鋼業を中心とする企業の労働組合出身で、当選7回と党内では幹部クラスに匹敵する当選回数を持つ。ちなみに、高木氏は(2)でも排出権取引や炭素税導入にも「反対」と回答している。

 最も驚いたのは(3)だ。原発推進に明確に反対と回答したのは、わずか8%に過ぎず、最も多かった回答は「賛成」の37%だ。賛成の中には、野田佳彦氏(千葉4区)がいる。野田氏は、若手政治家を養成する松下政経塾の出身で、幹事長代理を務める党の幹部であり、党内グループを率いるリーダーでもある。彼は宇宙開発に熱心な保守派で、過去に南京大虐殺を否定する発言をしている。

 また、(4)では「大幅に強化すべき」が80%と大多数を占めるものの、そこまでの認識に至っていない回答も20%ある。そのひとりである大畠章宏氏(茨城5区)は、日立製作所で原発プラントの設計に従事した経験を持ち、電機・電子産業の産業別労働組合が支援している。当選回数は7回だ。

 このように、地球温暖化対策について高い目標をかかげる民主党も、その内実は必ずしも、環境NPOや市民が望むものとはなっていない。政治的に保守的であったり、地球温暖化対策に消極的な産業の産業別労働組合の支援を受けた議員が当選回数を重ねており、政権の中で枢要ポストにかかわる可能性が高い。そうなると、せっかくの高い目標が後退しかねない。

 期待すべきは、今回初当選した議員だ。回答状況をみると、産業界寄りではないものの、環境NPOや市民の望む方向とも言えない、いわば白紙の状態だ。「MAKE the RULEキャンペーン」では、議員に対するロビーイングを進め、地球温暖化対策について環境NPOや市民の望む方向に引き寄せなければならないと考えている。

参考URL)

・未来を選べ!~衆議院議員選挙の候補者&マニフェスト エコチェック!
 http://www.maketherule.jp/dr5/eco-check


MAKE the RULE緊急アクションでは民主党 岡田幹事長らが「25%削減」の実現を改めて強調した




記事執筆、翻訳
日付 2009-09-11
筆者 山崎 求博 (YAMAZAKI, Motohiro)
媒体 寄稿
団体名 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ
URL http://www.sokuon-net.org/
翻訳者

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