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環境政策 政権交代で変わる温暖化対策

日本全土 民主党は「CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)」と明言。

 自民党主導によるこれまでの政治は、政治・官庁・財界の三者の関係を守るのが第一義となり、政・官・財にとって不都合なことが封印され、また先延ばしにされ、結果として国民や社会の疲弊を招いた。ゆえに今回の政権交代の意味は大きく、9月16日の鳩山内閣誕生を受けての支持率調査でも高い数字(77%など)となってその期待の高さが表れている。

 鳩山内閣の新閣僚の会見は、これまでのように官僚が美辞麗句を並べ立てて作ったペーパーを用いるようなことはなく、閣僚自らの言葉で抱負を語るというスタイルで行われた。各々から力強いメッセージが発せられ、会見時間も長きに及んだ。この会見で勇気付けられた国民は決して少なくなかったのではないだろうか。

 17人からなる新内閣は、それぞれの政策分野で実績を積み上げてきたエキスパートをそろえた布陣とされる。脱官僚依存をめざすことを明確にするため、これまで実に123年間続いてきた事務次官会議は廃止され、新設された閣僚委員会で今後は横断的に政策が決まることになる。例えば、環境税としての地球温暖化対策税については環境、財務、国土交通、経済産業といった連携により政治主導で話し合われ、各省の事務次官が個別にこれを説明するということはなくなる。

 環境大臣は環境政策に詳しく鳩山首相の側近でもある小沢鋭仁(おざわ・さきひと)氏、経済産業大臣はマニフェスト(政権公約)をまとめた直嶋正行氏、外務大臣は民主党の温暖化対策を一貫して牽引してきた岡田克也氏が就いた。「CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)~」とする政権公約を環境外交の場で強力にアピールするのに適した陣容と言える。

 鳩山首相は9月末の国連総会で「25%削減」を改めて表明する見通しであり、EUをはじめ、大きな支持を集めることが予想される。国際競争力の低下などの懸念が財界や産業界の一部から強く発信されているが、国際的な信用を得られることで、逆に競争力強化につながる可能性は高い。国民の信を得た政府の取り組みへの抵抗は、進んだ考えを持つ株主からは嫌気されるだろう。思い切った削減目標が打ち出された今ほど、社員や株主に対して説明しやすいタイミングはない。

 これまでの甘めの削減目標は政・官・財のもたれあいの象徴ともされる。旧来の成長モデルベースの「長期需給エネルギー計画」(長計)の延長線で対策を積み上げる以上、削減目標は自ずと低くなる。25%という削減目標は、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の知見に基づき、あるべき将来像からまず目標を設定し、その達成方法を後から探っていくという手法(バックキャスティング)で決まったもので、説得力がある。CO2だけでなく、CO2等としているのは、亜酸化窒素(N2O)やメタンなど影響力を増している温室効果ガス全般をターゲットにしていることを窺わせる。

 改めて民主党の政権公約を見てみると、「鳩山政権の政権構想」(5原則・5策)の他に、「民主党の5つの約束」が明記され、そこに政策各論が46項目盛り込まれている。主に環境に関する項目は、約束の5つめ「雇用・経済」の中にあり、「42.地球温暖化対策を強力に推進する、43.全量買い取り方式の固定価格買取制度を導入する、44.環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進する、45.環境分野などの技術革新で世界をリードする、46.エネルギーの安定供給体制を確立する」の5つが並ぶ。

 それぞれ具体策が併記されているが、温暖化対策としてはキャップ&トレード方式(企業に排出上限(キャップ)を課して事実上の削減義務とし、過不足分を取引(トレード)する市場メカニズムを活用したシステム)による排出量取引制度、地球温暖化対策税、自然エネルギーの大量導入の3つが柱だろう。

 すでに複数の大手電機メーカーでは、このキャップ&トレードの導入を織り込み、2020年を見越した省エネ関連の投資計画づくりに着手、現時点より15%以上のCO2排出削減のメドを立てている。工夫次第で削減の余地はある。政府と国民がそれを後押しする用意もできつつある。

参考URL)

・鳩山内閣 閣僚名簿等
 http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/meibo/daijin/index.html

・民主党の政権政策(Manifesto2009)
 http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html

・小沢鋭仁・環境大臣プロフィール
 http://www.e-ozawa.net/05prof.htm

・CO2以外の温室効果ガスが台頭
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=69596619


鳩山内閣誕生翌日の新聞各紙(9月17日付朝刊)

民主党の政権公約 マニフェスト表紙


記事執筆、翻訳
日付 2009-09-18
筆者 冨田 行一 (Koichi, TOMITA)
媒体 寄稿
団体名 東アジア環境情報発伝所
URL http://www.eden-j.org/
翻訳者

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