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生態系 「世界湿地の日」 危機に瀕したセマングム干潟

世界 セマングム干潟を破壊する政府に干潟と湿地の保護を語る資格はありません。

2月2日は「世界湿地の日」です。1971年、イランの小さな都市ラムサールで湿地保全条約(ラムサール条約)を締結したことを記念して定められた日です。この条約には現在150カ国が加入し、「全世界の持続可能な発展に寄与するため、すべての湿地の保全と適正な利用(賢明な利用)」を促進させることを約束しています。この一環で、総面積が1億3千4百万ヘクタールに達する1,580箇所の湿地が国際的に重要なラムサール湿地として登録され、保全が図られています。

■なぜ湿地を保全しなければならないのか?

どんな生命体も水なしには生きていけないように、湿地はあらゆる生命と生物多様性の源であり、生態系の維持と人間の命にとって必須である水資源を供給し、調節してくれます。湿地は文化と生物多様性の媒介体であり、経済・科学・レクリエーション分野においても非常に大きな影響を及ぼしています。湿地が毀損され続ければ、最終的には人類の生命を豊かにしてくれる生態系保全に致命的な問題となります。そのため、すべての湿地が適正な方法で利用されなければならず、可能な限りすべての湿地を蘇らせなければならないのです。

■湿地の適正な利用とは?

「生態系の自然の特性を維持しながら人類に恩恵をもたらすことが出来るように、持続可能な方法で利用すること」が適正な利用です。持続可能な利用は、「未来世代のニーズを充足させることのできる潜在力を維持しながら、現世代においても持続的な恩恵をもたらすように湿地を利用すること」です。そのため、湿地を適正に利用するということは、湿地をきちんと保全、管理し、蘇らせることを意味します。

■ラムサール条約に加入した国家の義務は?

ラムサール条約の加入国は、国際的に重要な湿地の登録簿であるラムサール湿地登録簿に少なくとも1つ以上の(可能な限り多くの)湿地を登録しなければなりません。こうして登録された湿地は、適正な利用を通じて生態的にきちんと管理されていれば、あえて法的に保護を受ける必要はありません。条約加入国は、湿地の保全と管理の計画を含めた土地利用計画を通じて自国内のすべての湿地が適正に利用されるようにしなければなりません。また、加入国は、湿地に対する調査や管理、適正な利用のための教育を促進しなければならず、2つ以上の国家が共有している湿地や水資源、野生動植物の保全およびこれに影響を及ぼす可能性のある開発計画に関して、当事国間で協議をしなければなりません。

■韓国とラムサール条約の関係は?

韓国は、1997年にラムサール条約に加入し、江原道 大厳(デアム)山にある龍(ヨン)沼と慶尚南道昌寧(チャンニョン)の牛浦(ウポ)沼、全羅南道 新安(シナン)の?島(チャンド)湿地が国際的に重要な湿地であるラムサール湿地登録簿に掲載されていますが、最近全羅南道の順天湾(スンチョンマン)干潟と筏橋(ポルギョ)干潟がラムサール湿地登録簿に追加されました。また、去年の11月にウガンダのカンパラで開催された第9回締約国会議では、2008年の第10回ラムサール条約締約国会議を韓国の昌原(チャンウォン)で開くことを決定しました。
<セマングム干潟を破壊する政府に干潟と湿地の保護を語る資格はありません>

セマングム沿岸で海に頼って生きてきた我々住民たちは、決して海と干潟から離れて生きていくことはできません。セマングムの海と干潟がまさに私たちの生命の拠り所であり、憩いの場でもあるのです。このように大切なセマングム干潟を捨て去らなければならないことは、私たちには身を引き裂かれるのと同じことです。

セマングム干潟は、国際的に重要な湿地です。今日は、湿地を保護し、そこに生きる人々の源を守ろうと制定された「世界湿地の日」なのです。韓国政府も湿地を保護するためのラムサール条約に加入してから10年が経ち、この日を政府レベルでも記念しています。

しかし、セマングム干拓事業という過ちを全て分かっていながらも防潮提工事を強行しようとする政府が、湿地保全という名を掲げて今日という日を記念するということは果たして許されるのでしょうか?ただただ呆れ返るばかりです。我々セマングム沿岸の住民たちは、政府のこのような裏腹な態度に怒りさえ感じています。

今、政府は沿岸干潟の保護を打ち立て、様々なプログラムを運営しています。干潟体験観光、干潟教育者育成と共に、広域漁村圏を組織し、干潟の自立管理を誘導する等、事業を推進しています。
一方では、西海岸で最後に残った河口干潟であるセマングム干潟を破壊し、また一方では、干潟を保護しなければならないと言っているのです。政府のこのような裏腹な態度は、観光産業の育成という経済論理に支配されています。しかし、セマングムを始めとする沿岸や海は、金儲けに釣られる観光産業の対象である以前に、多くの生命が息づくための場所であり、つらい労働の中で憩いを求める数多くの人々の拠り所なのです。

総延長33kmの防潮堤は、完成まであと2.7kmを残した状態であり、その2.7kmは海と干潟の命の綱であると同時にセマングム沿岸に暮らしている我々住民たちの命の綱でもあります。最後の2.7kmが塞がれれば、干潟に生きる数え切れない程多くの生物たちが一瞬のうちに死に至ることを我々は十分に認識しています。また、そのように海や干潟が破壊された後には、我々住民も同じ運命を辿るであろうことも。

国際的に重要な湿地を保護しようと制定された「世界湿地の日」に、我々は政府にはっきり警告します。セマングム沿岸の住民たちは、この干潟が滅びていくことを決して黙って許すわけにはいきません。最初にセマングム干潟の干拓事業を止められなかったことは私たちの過ちですが、今は過ちをありのままに受け止め、今からでも生命の拠り所である海と干潟を最後まで守り抜いて見せます。このつらい闘いの道に、生命の尊さを知り、セマングム干潟を生かそうと着実に努力する人々と、世界中の心のある方々が連帯し、共に戦っていくことを宣言します。

セマングム沿岸の2万余名の住民たちは、もうこれ以上黙ってはいません。我々は、セマングム干拓事業により、国際的に保護を受けなければならない干潟が破壊されることに心痛めてきました。その過程で、豊かだった地域共同体は解体され、お互いを疑う利己主義の広がりを経験しており、生命が破壊される脅威に直面しています。このような経験は、我々の生命の源である海と干潟の大切さと、この生命の源を元のまま子孫に受け継いでいかなければならないということを、誰よりも切実に悟るようになりました。

農林部と全羅北道は、このようなセマングム沿岸住民たちの声を受け入れ、これ以上の破壊を即刻やめなければなりません。公言している通り、来る3月に最後の潮止め工事を強行するというのならば、我々セマングム沿岸の住民たちと生命と環境、民衆の生存権のために仕事をする数多くの人々の激しい抵抗に直面することになるでしょう。この美しく力強い戦いにみなさまが理解してくださることを信じています。

2006年2月2日
セマングム沿岸被害住民対策委員会


▲東アフリカ ウガンダのカンパラで開かれた2005ラムサール締約国会議

▲アマゾン流域にある世界最大の湿地、パンタナル (C)Ziesler, Ecotropica


記事執筆、翻訳
日付 2006-02-02
筆者 国際連帯チーム マ・ヨンウン
媒体 環境運動連合 環境論点
団体名 環境運動連合(KFEM)
URL http://www.kfem.or.kr
翻訳者 安部加奈

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