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生態系 控えめな名前の山“アプ山”(大邱)にトンネル工事必要か?

慶尚北道 “アプ山”トンネル建設反対者による25万4000拝 52日間の長丁場に幕が下りる

 “アプサン(前山)”と名づけられた、その由来は定かではない。慶尚監営公園の「前にある山」だからという説、公園を「抱く山」だからという説もある。琵瑟山・成仏山・大徳山のように、周囲の山々はまともな名が付けられているのに、なぜ“アプ山”はこのように控えめで、垢抜けない名になったのだろうか?

 大邱に“アプ山”があると聞いても、よその土地の人々は、とある農村の「前に」控えめに位置する小高い丘ぐらいにしか考えないだろう。この“アプ山”は主峰660mで琵瑟山の主峰1084mに連なる山脈一帯は、一日3~4万人、休日には5万人、年間1800万人以上の人々が登山やハイキングを楽しむ所であると言う説明を加えれば、驚きと羨望を隠しえない。

 名前は垢抜けない“アプ山”にも、ヤナギザクラや金剛スミレが生息している。この山には、原生林に近いクヌギ林10万坪以上にゴヨウマツの群落があり、山城山、大徳山、晟北山などの主峰には、大小8つの渓谷や20ヵ所余りで湧き水の湧く自然に恵まれた都市公園である。

 “アプ山”だけで2度もヤナギザクラが発見された。この木は主に中部以北に生息するものだが、このような南部地方で2度に渡って群生が発見されたことで、植物分布学研究の重要な手がかりとなった。学界の研究を経たのちに、天然記念物に指定されることになっている。“アプ山”は、山林庁により希少絶滅植物の114号に指定された金剛スミレが生息することでも、すでに知られている所だ。

 最近、ニュージーランド連邦政府はビクトリア州が推進している風力発電所建設計画を中断させた。工事費 2億2000万オーストラリアドル(約1,528億ウォン)に達するこの工事を中断させたのは、発電所のタービンに、絶滅危惧種のオウムがぶつかって死んでしまう恐れがある為だという。オウムが死ぬ確率は1年に1羽位だが。

 鳥一羽のために大型工事を中断するニュージーランドのような国があるかと思えば、天然記念物、絶滅危惧植物が生息するにも関わらず、頑として“アプ山”のトンネル工事を強行しようとする大邱市のような都市もあり、現実を目の当たりにして残念でならない。

道の上で、人と人とが引き裂かれた

柳河の詩 “道の上で語る”は多くのことを思い起こさせる
私は道から、豊かな知恵と真の悟りを手に入れた……と信じていたのだが
しかし、全てのエンジンどもが吠え立てる遠吠えを耳にした時
土の香りの消えた舗装された道、そのような失意の真っ只中に立たされた私は……
この道から、いったい何を学んできたと言うのか

 車輪は少なくとも BC 3500余年頃に存在したといわれる。車輪の発明と実生活への導入は人類文明で移送と運送の革命をもたらした。想像すらできなかった遠い地域間で、物資の交流と人の往来が可能になった。それほど人間の生活が豊かになったということだが、距離と地域を超えた資本と権力の集中が起こってしまったのである。

道は疾走する車輪によって、永い年月を経て鍛えられた
想像の力は、車輪を創り出し、
車輪の力は道を築き、その方法と思考だけで突っ走ってきた

 持てば持つほどさらに多くを持とうとする資本社会と権力の性質上、車輪はスピードと起動性を追求した。車輪は走るために存在する。とどまっている車輪は無意味なのだ。それゆえ、車輪は車輪それだけでは存在することができない。車輪の走る道が必要だった。車輪と道は抜きつ抜かれつ、征服と略奪の帝国主義文明を導いて来たのだ。

 最も速いスピードを手にした民族が世界を支配することができた。征服地には間違いなく、先ず始めに道が築かれた。まるで先進文明の象徴のように道が引かれるたびに、個人と個人、社会と社会、民族と民族が引き裂かれた。

都市へと国家へと駆り立てるスピード感よ!
この道で手に入れた「悟り」があるのなら、今それを手離す時がきた
私達を、ここまで連れてきた車輪よ!どうか止まっておくれ!
そして、この世のすべての道から立ち去っておくれ!

引き裂かれたものは、再び取り戻すべきである
 ある大邱市長候補の言葉のように、空から見下ろせば道は血管のように伸びている。都市や農村、地上や地中のみならず空中までも、山間の野や谷など津々浦々まで、くもの巣のように張りめぐらされている。この道を少しも休むことなく、のろのろ動く幾多の自動車の列はまるでブラックホールに向かう働き蜂を思わせる。人間の想像力は車輪を生み出したが、その想像力は車輪に手なづけられた道に導かれ、分裂と破壊のゴールに向かっているようだ。

 今こそ、このような間違った道しるべから、私たちは決別する時が来たのである。車輪と道によって失った自然と人間本来の姿、引き裂かれた全てのものを、再び取り戻すべきである。


(C)テグ環境運動連合




記事執筆、翻訳
日付 2006-07-06
筆者 ムン・チャンシク (Mun,Chang-sik)
媒体 寄稿
団体名 大邱環境運動連合
(DaeguKFEM)
URL http://kfem.org/
翻訳者 海老名美幸(訳詩:全美恵)

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