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環境ニュース > 生態系 (韓国 発)

生態系 河川は「正常」に流れなければならない

ソウル特別市 清渓川は今後も多くの「偽物」河川を作り出す原因になる。

 水路は引くことを知らない。水路の前にはただ、足し算だけがあるのみ。水路は小さな渓流に始まり細流へ流れ出ると、いよいよ「川」となって緩やかになる。高い場所から低い場所に向かう水の旅情は美しい。川が美しいのは、水が流れながらミジンコを懐に抱き、猫柳や葦にも自らの命を分け与えているからである。

 水路とは「水が流れる道」という意味だけではなく、自分を取り巻いている陸上生態系までを自らの体で受け入れている。この主張は、すでに西暦79年に発表されていた。ローマの歴史学者でもあり著述家でもあったプリニウスは、博物誌「自然の歴史」31巻で「水路には水の流れが貫ける所、周辺陸上生態系の姿が反映されている」と書している。

 プリニウスが明言したのは、今目の前に見える水路だけで理解をするなということだ。洪水が起きれば、水が周辺陸地を飲み込むと同時に水路と陸地との境界線が消えてしまう。水路の周辺に洪水敷地や背後湿地が発達した理由は、洪水の水を安全に流すこともでき、時には陸地にもなれる両面性のためだ。しかし、ここにきての水路両面性の確認調査は難しい。韓国にある水路の大部分は、高いコンクリート堤防に遮られ、陸地と完全に断絶されており孤立した状態だ。


 清渓川は「コンクリート金魚鉢」

 水路は水源地から河口まで一定な規則性と連続性を持つ躍動的な生態系でもある。自然状態で水は高い場所から低い場所に流れ、水源地から河口まで流域面積、幅、傾斜度、水流の勢い、水の量、水温、溶存酸素などが斬新に変化する。したがって、清渓川のように電子モーターを利用し水を引き上げた後、再び流す河川は正常な水路ではない。こうして清渓川は「コンクリート金魚鉢」とか「長く横たわる噴水」などという名前までついた。

 しかし清渓川復元の問題点が深刻だからといって、成果がまったくなかったわけではない。国家主導の高度成長期に覆蓋された清渓川は学者が明言したように、成長の速度を加えると同時に破壊されていく自然の墓場であった。道路に使った蓋を取り除けるまで清渓川は、急激に増加した人口が排出した老廃物を隠密に出す巨大な下水溝ともいわれた。よって、覆蓋構造物を取り除き陽の光と空気を入れたと言う事実だけでも開発至上主義に点綴された過去の歴史を反省する効果があった。

 しかし、どうしても清渓川に復元という名前をつけるのは厚かましい気がするのは事実である。目新しく飾り付けた清渓川を多くの市民が訪ねるからといって、すべての傷を隠すことはできない。清渓川には美しくなるためならば全身整形も厭わないという時代の流れが投影されている。「親しみを感じることができ、経済にも役立つ自然」ばかりを好む用途本位のパラダイム(ある時代や分野において支配的な物の考え方)を代弁したりもする。水をくみ上げる電気モーターの陰には「無秩序な自然」よりは「整頓された模範品」を好む現代人らの要求が隠されているのだ。


 韓半島大運河も「水路の逆行」

 模造品としての清渓川は覆蓋河川をもつ韓国地方自治団体らのロマンとなった。この夏にふたたび電気の力で流れる噴水河川がソウルに一つ追加される。洪提川が清渓川方式をそのまま模倣し造成されるものである。それだけではなく、韓半島大運河もまた電気の力で動く水路である。陸に丘に一度上げおろすためにダムとリフトを操作する過程は、上から下に流れる水の力ではなく電気エネルギーに頼っているという点で清渓川と似ている。

 清渓川は今後も多くの「偽物」河川を作り出す原因になるであろう。しかし、いくら濃い化粧をし飾り立てたところで偽者が本物にはなり得ない。運河は運河である。国民の70%が飲む上水源に運河を造るとしながら「親環境(環境に優しい)運河」という新造語を作り出す人々をどうすれば良いのか?







記事執筆、翻訳
日付 2008-03-27
筆者 アン・ビョンオク (Ahn, Byungok)
媒体 寄稿
団体名 韓国環境運動連合
(KFEM)
URL http://kfem.or.kr/
翻訳者 林 里美

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