Google WWW を検索 サイト内検索

環境ニュース

市民団体・市民紹介

地球と生きる方法

環境ニュース > エネルギー (韓国 発)

エネルギー 逆行するエネルギー政策

韓国全土 光と風を利用した再生可能エネルギーの拡大を

 危機に瀕した地球を救うためには、太陽光と風のような再生可能エネルギーの利用を大幅に増やす必要がある。再生可能エネルギーは、雇用創出の面でも注目に値する。再生可能エネルギー産業を先導しているドイツでは、過去10年間にこの分野で16万人もの雇用を生み出している。1Gwh当たりの雇用創出効果は、風力2人、水力1人、バイオマス5人、太陽光は実に45人であるという。地球温暖化を防ぎつつ雇用も創出できるとなれば、願ったり叶ったりである。しかし、再生可能エネルギーを拡大させることは、言葉でいうほど容易ではないようだ。長い間、火力と原子力が支配してきたエネルギー市場で、再生可能エネルギーが導入初期から競争力を備えることは簡単ではないからである。

 再生可能エネルギー産業の育成を目標として先進国が施行している政策の中で、もっとも代表的なものは発電差額支援制度(FIT)とRPS制度(Renewables Portfolio Standard 再生可能エネルギー割当義務制度)である。発電差額支援制度とは、再生可能なエネルギー源で生産した電力と既存のエネルギー源で生産した電力との生産単価の差額を政府が補償してくれる制度だ。ドイツとデンマークが再生可能エネルギーのメッカとして浮上したのは、この制度のお蔭だといえる。RPS制度とは、主な発電事業者に一定の比率以上を再生可能エネルギーで供給するよう義務づける制度だ。発電差額支援制度とRPS制度が、どちらも再生可能エネルギー産業の拡大を図ろうという点においては、さして差は無い。しかし、政策効果まで同様というわけではない。

 先進国の経験を総合してみると、発電差額支援制度がRPS制度に比べて、かなり効果的だという事実が次第に明らかになっている。発電差額支援制度は、特に太陽光発電のように、他の再生可能エネルギー源と比べて技術や市場の成熟の遅い分野において威力を発揮したと評価されている。この制度を導入して再生可能エネルギーの普及を飛躍的に伸ばし、全世界に関連技術と設備を輸出しているドイツが、その代表的な例だ。RPS制度は、なるべく市場原理を大きく害すことなく再生可能エネルギーの生産価格を下げることに焦点を当てている。しかし、政策的な効率性に欠け、小規模の民間資本の事業参加を萎縮させる、という批判が提起されることもある。実際にRPS制度を施行しているアメリカ、イギリス、日本などでは、満足な成果を得られないものとして知られている。

 去る4月25日、政府は「2011年以降、太陽光発電差額支援制度を廃止し、RPS制度を導入する」と発表した。財政負担を最小化するために、発電差額支援制度で適用される太陽電力の基準価格を最小8.4%から最大30.2%まで引き下げ、2012年からはそれさえも廃止し、RPS制度へ転換するということだ。2012年以降には、韓国電力の6つの発電子会社と韓国水資源公社などエネルギー公企業は、再生可能エネルギーを一定の比率以上義務的に生産しなければならない。

■太陽光発電にRPS制度導入

 これは簡単なことではない。大企業である発電会社とエネルギー公企業優先のRPS制度は、再生可能エネルギーの設備容量を短期間に増やすのには有利かもしれない。しかし収益性が低く、小規模の発電事業者が撤退した跡に大企業の義務感だけが残る、といった極度に単純化した現実がもたらす否定的な結末を考えるべきである。大企業が自分たちに与えられた割当量以上に太陽光発電を拡大するのは容易ではない。自分たちの主力分野である原子力と火力の比率を減らしてまで再生可能エネルギーの拡大に乗り出すはずは決してないからだ。RPS制度は、この空白を埋めるべき多くの小規模発電事業者を枯渇させることだろう。現在まで相当な成果をあげている技術の国産化に、冷水を浴びせる可能性が高いという点も問題である。

 世界的な動向を見ても、政府の政策は逆行している。この政策を施行すれば、韓国は請求書を送ってこない無限の太陽エネルギーを利用する未来から、それだけ遠のいてしまう。太陽光発電会社とエネルギー市民団体が、4月25日を国恥日として宣布した理由を今やじっくり考えてみるときなのだ。


最近、政府は「2011年以降、太陽光発電差額支援制度を廃止し、RPS制度を導入する」と発表した。しかしこの政策の変更は、再生可能エネルギー産業の拡大に冷水を浴びせる可能性が高い。<京郷新聞>




記事執筆、翻訳
日付 2008-05-16
筆者 アン・ビョンオク (Ahn, Byung-ok)
媒体 寄稿
団体名 韓国環境運動連合(KFEM)
(http://kfem.or.kr/)
URL
翻訳者 萩庭雅美

掲示板 新規書き込みは >>こちら

No Comments

page top