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干ばつを口実に再度ダム計画を持ち出す政府
■9年の果てに白紙化された東江ダム、白紙化された9年後に再び推進論議
2000年6月5日、環境の日、当時の金大中大統領は“滅亡危機の動植物を保護し、生態系を保存するため”東江ダム(寧越ダム)の白紙化を宣言した。1991年に東江ダムの建設の計画が発表されて、9年後のことだ。この過程において、地域住民の同意のない政府の一方的な建設推進と、でたらめな環境評価書などは、水没地域の人々や環境団体の激しい反対にあい、結局東江ダムは白紙化され、多大な公的資金の無駄遣いに終わった。
ところが白紙化宣言から9年経った2009年、再び東江ダム建設計画が浮上している。
■東江ダム白紙化、残ったものは公的資金の無駄遣い
東江ダムは様々な問題点を抱えていた。そのうちの一つはダム自体の安全性の問題である。水に触れると簡単に溶けてしまう石灰岩地層は、1963年にイタリアのバイオントダム崩壊で2,600名の人命事故を引き起こしており、そのうえ地震の危険まで加わった。そして、もう一つの決定的な問題点は、東江の自然生態破壊である。
東江一帯には永久非公開天然記念物 260号の白竜洞窟をはじめ、カワウソ・カワアイサ・ムササビなどの絶滅危惧種の生息地があり、8等級の優秀緑地生態であった。しかし、水資源公社が作成した環境影響評価書では、洞窟の数と希少動植物の調査結果が作為的に変更されており、東江の水没予定地の美しい自然と秘境が写真と文章で国民たちに知られるにつれ、東江ダム反対の世論が大きく広まった。
全てのダムは推進過程において、常に東江ダムと同じような問題に直面する。ダム自体の妥当性の問題と自然生態の破壊、住民の被害と住民同士の分裂。結局、東江ダムは白紙化されたが、残ったものは9年間の国民の分裂と、多大な公的資金の無駄遣いだった。
■江原道南部の干ばつは、用水の維持管理をまともにできない政府の責任
現在、政府と地方自治体は4大江整備事業と合わせ、洪水を予防し干ばつに備えるため、様々なダムを作るという構想を打ち出している。そして東江ダムも、近年、水不足の事態に陥っている江原道南部の水の供給のため、200万トン規模の取水専用ミニダムを作るという内容が報道された。去る10日、李明博大統領は、鄭鍾煥国土海洋副長官に、環境的に問題がない小規模なダムを建設する方案を関連部署と共に検討するよう指示したところであり、長官もダムの必要性についての発言を繰り返してきた。記事に対し、政府は東江ダムの建設と関連し、具体的な計画はない旨を明らかにしたが、記事の根拠となった水資源公社社長の言葉は、果たして個人の失言で済む話だったのだろうか。
江原道南部の干ばつは、自然災害というよりは実は人災の性格が強い。太白市の場合、広東ダムから用水の全量である6万トンが供給されなければならないが、現在供給されているのは2万トンだけであり、取水制限が実施されている。このような水不足の原因は、昨年9月以後、広東ダムの流入量が急激に減少したにもかかわらず、水資源公社がむしろ20%も供給量を増やしたことと、 太白市で46%、旌善郡で50%にも上る極めて高い漏水率にある。結局、水資源公社が用水の管理に失敗し、環境府と地方自治体が適切な維持管理をすることができなかったことが給水不足を引き起こしたのだ。そして、この漏水率の問題は、東江ダム論争が盛んであった10年前にも同じ指摘がなされていた。
■原因とは違う対処、東江ダム建設は再び社会的混乱を呼び起こす
私たちにとって東江はどの様な意味を持つのか。9年という長い社会的苦悩の果てに得た大切な遺産であり、80%にのぼる国民の合意のなかで、一生懸命に守り抜いた自然の恩恵ではないのか。もしも政府がどんな形であれ、東江ダムの建設を再推進するのなら、再び社会は9年の痛みを繰り返すだけである。現在、韓国で広がっている干ばつは、水の管理がまともにできない国家の責任が大きい。原因を追及しようせず、新しい建設計画でとんでもない施策を進めようとする政府は、ダム建設が社会的混乱だけを呼び起こすことを考慮に入れ、慎重に判断しなければならない。
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東江のオラヨン渓谷 東江の絶景の一つであるオラヨンの美しい姿

不毛な広東ダム 江原南部地域の生活用水の水源である広東ダムが乾いている(ⓒハンギョレ21)

江原道寧越だけに生息することで知られている「東江オキナグサ」は、東江ダム白紙化の最大貢献者(ⓒ ヒョンジノ)
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