|
青少年に倫理的な消費を体験できる機会を与えなければ
最近、世界的な経済発展とそれによる意識の高まりにより、消費者の間では新たな消費スタイルが台頭してきている。経済性と安い価格のみを重視するこれまでの消費スタイルから抜け出し、個人の道徳的な感覚により購買を決める倫理的な消費が広がっている。このような消費スタイルは、環境と社会的弱者を保護し、地球の長期的な利益を求めようという考えに基づいている。倫理的な消費の広がりは、人々が自己中心的な消費から徐々に脱却し、共同体と社会全体の利益を考える消費を求めるという点で、望ましい現象とみることができる。その上、地球温暖化による環境問題と、貧富間の両極化現象が深刻化するにつれ、社会的価値を考慮する倫理的消費の重要性はさらに大きくなるとみられる。
だが、最近の青少年は倫理的な消費の重要性を認識するどころか、基本的な概念すら知らない場合が多い。すなわち、社会に出て、社会をリードする役割を担うことになる彼らに、多少距離感は感じたとしても、倫理的な消費に対する概念を自然と認識させることはとても重要なことだ。そのためには、二つの側面でのアプローチが可能だ。一つは教科課程(日本の学習指導要領に相当)において倫理的な消費に関する内容を盛り込み、学生に教育すること、もう一つは、彼らに直接、倫理的な消費を体験できる機会を与えることだ。
まず、教育課程に倫理的な消費に関連した科目を追加したり、直接これに関連した内容を青少年に教えることで、彼らが倫理的な消費に対して関心を持つよう、誘導できるだろう。ただ、倫理的な消費はここ最近の流れであるため、学生は教科課程では接する機会がほとんどない。倫理的消費は未来の社会で少しずつ重要視されていく可能性が高いため、これを考慮して政府レベルで教科課程を改編するなら、青少年の認識向上に大きな影響を与えるだろう。このように、学生が少しずつ倫理的消費について学び、その重要性を認識すれば、彼らの間でも倫理的消費に対する話し合いや考える場が形成されることになるだろう。
この案が、倫理的な消費に関する知識を学生に教育することに焦点を当てたものだとしたら、実際に青少年に倫理的な消費を体験してもらうのも重要だ。例えば、学生がよく利用する売店で実践してみるのも一つの方法だろう。売店を通じた倫理的消費に関する体験は、店の運営形態により二つに分けられる。一つ目は、外部の人間が販売を担当する現在のシステムを維持しながら、学生が販売品目に対し、決定権を持つというものだ。学生はホームルームの時間などに倫理的な製品について話し合い、必要に応じて、非倫理的な生産をする企業の商品については販売しないことを決めることもできる。例えば、かなり前のことだが、大手即席めんメーカーが生産過程で工業用油を添加して大きな話題となったことがあった。このような場合、学生がその会社の即席めんを売店で売ることができないよう決定を下すのだ。このように、倫理的な消費について討論し、売店での販売品目に影響を与え、学生は倫理的消費について、さらに深く知ることができるようになるだろう。
二つ目の方法は、学生が共同組合の方式で売店を直接運営することで、倫理的な販売と消費を実践するものだ。共同組合の方式とは、従来の販売者と消費者の間に生じていた中間の段階をなくし、消費者と販売者の区別なく、資金を共同で出資して経営する方式だ。同方式で学生が売店の代表を選出し、運営委員会をつくって、上記の案のような倫理的製品に対する討論を行った後、実際にそのような製品を販売するとしたら、モノを消費する学生も、販売する学生も、すべてが倫理的な消費がより身近なものになるだろう。この方法の良い点は、すべての意志決定が学生にあるため、責任意識と主体性を育てることができ、倫理的消費に対し多くを知ることができるという点だ。また、一般的に、中・高校の売店の規模が小さいことを考慮し、全国的に売店運営のネットワークを決め、第三世界の労働者により生産されたフェアトレード製品を購入することも倫理的消費を実践できる良い方法となるだろう。もしくは、中・高校生に比べて相対的に社会的関心が高い大学生がこれを主導し、中・高校生まで合わせてフェアトレードと関連づけた倫理的消費を全国的にともに実験してみるのもいいだろう。
もちろん、学生主導で売店を運営する過程で資金管理などの問題が発生する可能性もあり、政府主導で倫理的消費に関する教育を行ったとしても、青少年の反応が低いなどの問題が生じることもある。だが、このような点は、未来の世代のために、既成の世代による積極的な後押しが展開されれば、解決できるだろう。そして、倫理的な消費は、従来の弱肉強食を追求する資本主義から抜け出し、市場の資本主義をさらに人間的、倫理的なものにする手助けとなるため、未来の社会をリードする青少年に倫理的な消費の重要性を知らせるのはとても重要なことだ。彼らがこうして倫理的な消費に対する教育を受け、直接経験すれば、未来の時代の流れに適した対処ができる、素晴らしい成人に成長できるだろう。
|