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アスベスト公害と市民の健康
ソウルはいつも工事現場だ。特にニュータウン事業後に規模が大きくなり、数十トンの大型建設廃棄物運搬車両があちこちで目に付く。それらの車両を見る度、心配になる。1級発ガン物質であるアスベストが含有された廃棄物が積まれている可能性が大きいからだ。アスベストは鉱物質で、鉱山から掘り出し、製造、使用、そして廃棄の全過程で環境に露出される可能性を持っている。そのため、坑口から埋立地まで徹底した管理が必要だ。しかし、私たちはそのような情報を持っていない。
一足遅く、各種建設物のアスベスト含有の有無を調査するアスベスト地図づくりに乗り出しているが、その程度では発ガン物質であるアスベストから市民の健康を守るのにはまったくもって不足だ。大規模ニュータウン、都市整備および均衡発展促進などの名目で現在、汝矣島の面積の11倍を越える大きさの再開発工事がなされながら、数多くの家屋と建物を撤去している。この過程で飛び散ったホコリはもちろん、アスベストのホコリが大気環境を汚染させる。
政府はアスベストの管理を徹底的に行っているというが、今回問題になった往十里ニュータウンの区立子どもの家の実態を見ると、政府自ら国民不信を招いていると感じられる。工事を開始するうえで一番初めにしなければならないことは、子どもの家、老人施設など環境汚染に脆弱な施設への対策を備えるということが常識ではなかったか? ところが、この子どもの家の120人の子供たちと父兄らは、なんと6ヶ月間も撤去工事現場の間を通り、通学している。
8月1日の朝、子どもの家がある通りを見てみると、共稼ぎの父兄らが子どもの手を握り、またはベビーカーを押して建物撤去の幕の間でせわしなく移動していた。この地域は、ソウル市が「安心して任せなさい」「子どもをもっと産むように」と推奨する、いわゆる‘ソウル型子どもの家’であり、その周辺の工事現場がソウルを住みよい場所にするという‘模範ニュータウン’だ。地域の住民たちが、これまで何回もアスベスト公害と子どもの家の問題解決を要求したが当局はいつも無視してきた。住民たちの要請で市民環境研究所が現場調査をしてみると、アスベスト撤去が終わった場所で最高17%のクリソタイル(白石綿)建築廃棄物が発見され、大気では基準値を超えるアスベストが検出された。子どもの家の保育所の窓のホコリと近隣アパートの台所、およびベランダのホコリからもアスベストが出た。
9月3日、ソウル広場に集まった父兄らの顔には、子供たちの健康を危惧する心配でいっぱいだった。看護師をしているある母親は、病院では大部分の肺ガン患者が蘇生できなかったと言い、子どもたちの健康に対する不安に、涙を流した。
昨年の国政監査資料を見ると、全国でなされた7千余のアスベスト関連の事業に対して、当局が現場調査をしたのはわずか4%に過ぎなかった。 現場調査対象の96%は、安全規定さえ守らなかった。 少し前には、三星本館と世宗路政府庁舎、恩平区庁など、代表的な企業と政府の建物再建現場で、アスベストの管理がめちゃくちゃだという指摘があった。アスベストは露出後、長い間の潜伏期間を経てガンを引き起こすといい、‘静かな時限爆弾’と呼ばれる。
政府内に行政安全部と呼ばれる部署があり、ソウル市は環境担当部署を「きれいな環境本部」と呼ぶというが、飛び散っているホコリとアスベストから子どもたちを守ることができないならば、そのように呼ばれる資格はない。ニュータウンと再開発事業が抱いているアスベスト時限爆弾を安全に除去しなければ、発ガン物質の暴風が私たちの社会に激しく吹き付けるだろう。往十里の子どもの家アスベスト問題がニュータウン開発事業より市民の健康が優先だ、という点を明確にするきっかけとなってほしい。
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ソウル市は往十里ニュータウン地域の「弘益子どもの家」でアスベストが検出され、父兄と葛藤を生じさせてきた。ⓒプレシアン
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